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【vol.18】鳴海周平の全国ぶらり旅|愛知県編


 35年ぶりに日本で開かれている万国博覧会「愛・地球博」のテーマは「自然の叡智(えいち)」。
「自然の恵みをそのままお届けしたい」という私たちナルミの理念そのものであるテーマに興味が沸き、愛知県の会場を訪ねてみました。

 21世紀最初の万博にあたる、この「愛・地球博」には世界各地から120の国々と、国際機関が参加しています。そしてテーマは「自然の叡智(えいち)」。地球温暖化や環境破壊といった問題に直面している今の地球を、次の世代にどうやってバトンタッチしていくのか、そして地球を美しいまま受け継いでいくために、私たちにどんなことが出来るのか。そうした大きなテーマを、自然の叡智から学んでいこう、というのが今回の万博の目的です。

 会場について、まず驚いたのは人の多さと会場の広さ。万博会場までのリニアモーターカーは、東京のラッシュなみに混んでいましたが、東京ドーム約120個分に相当するという会場の広さ(173ヘクタール)の中ではさほど気になる混み具合ではありませんでした。それでも1日平均10万人という来場者の数は、35年ぶりに日本で開かれたこの万博に関心が高いことがわかります。

 会場には、トヨタや日立、三井、三菱などが出展している「企業パビリオン」や、世界の様々な国が出展している「グローバルコモン」、その他「森林体験ゾーン」や「遊びと参加ゾーン」など、各テーマに沿った展示や催しがされています。

 人気は「企業パビリオン」のコーナー。トヨタグループ館ではロボット楽団による演奏やパフォーマンスを見ることが出来、人間とロボットの共存時代の到来を予感させてくれます。三菱未来館では「もしも月がなかったら」というテーマをシアターなどで見ることで、地球と月がまさに奇跡的なバランスの中で成り立っているということが理解出来ます。月のない地球は、とても殺伐とした世界になってしまうこともわかりました。宇宙の秩序って、本当に信じられないほど絶妙なバランスのうえに成り立っているんですね。

 「グローバルコモン」ではヨーロッパやアジア、アフリカ、アメリカ、オセアニア、東南アジアなどの各国の自然や文化が紹介されていました。

たくさんの国々の特徴を一度に見ることで、気候や気温などの自然条件の違いが、そのまま食生活や文化と結びついていることが一目でわかります。こうして見ると、やはり人間は自然の一部なんですね。私たちは明らかに自然に生かされている、ということが実感出来るゾーンでした。

 今回の万博でもっとも注目を集めているのは「1万8千年ぶりに甦った冷凍マンモス」。
2002年にシベリアの凍土から発見されたマンモスは、頭部や前脚などが当時のまま冷凍された貴重な歴史の証明。マイナス15℃で保たれたガラスケースに入れられたマンモスは、1万8千年という時間を遡る太古のロマンを感じさせてくれました。(残念ながら撮影禁止箇所のため、写真掲載が出来ません。)

 今回の万博では、「私たちはいったい何のためにこんな便利な暮らしをしているんだろう」ということを改めて考えさせられました。

より便利で、より豊かな(物質的に)生活を目指すと、どうしても環境に負荷がかかります。確かに便利なこと、楽しいこと、愉快なことを追求し続けるというのは人間の本能なのかもしれません。でも、そろそろ「本当に楽しいこと、幸せなことっていったい何だろう」ということをじっくりと考えてみる時期に来ているような気がします。

 施設によっては3時間待ちもあるという愛知万博は、もっとお金をかけることで、会場をもっと広くし、すぐ近くに駐車場やホテルを作って、待ち時間がほとんどない状態でアトラクションが楽しめるようにすることも可能だったはずですが、環境への負荷を考え、「自然の叡智」から学ぶことをテーマとしているため、あえて便利さを追求していないのだ、ということも聞きました。このまま人類が欲望のまま、やりたい放題をしていくと、地球はたいへんなことになってしまう、という強いメッセージが会場の随所から感じられました。

 今回の「愛・地球博」に足を運んでみて、私たちはもっと「自然の叡智」に学ぶという謙虚な姿勢をもっていかなくてはならないと改めて思いました。

 心豊かな生活を送るためにも、21世紀最初の万博がこうしたテーマで始まったことにはとても大きな意味があります。私たちが自然の一部であること、地球の一部であることを、もう一度じっくりと考えてみる必要がありそうです。

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