Vol.228 4月 「親切」をすると健幸になる その1
「親切」をすると健幸になる その1
「親切な行ないには、素晴らしい健幸効果があるらしい」ということが、さまざまな研究で明らかになっています。
主な「親切の効果」は次の3つです。
1.ストレスが軽減する
2.健康になる
3.幸福感が得られる
今回は「1.ストレスが軽減する」について
述べてみたいと思います。
親切はストレスを軽減させる
〈イェール大学医学大学院のエミリー・アンセルの研究 〉
77人の参加者が毎晩、スマートフォンで自動音声を受信し、その指示で1日を振り返るという作業を2週間続けた。
参加者は仕事や人間関係、健康、その他の分野でストレスを感じた出来事と自分でした親切な行為をオンラインで記録することになっていた。親切な行為は、例えばあとから来る人のためにドアを押さえていたとか誰かの宿題を手伝ったとか誰かをほめたなど、何でもよかった。
報告した親切の数が多い人ほど、マイナスの感情が少なく、ストレスも少なかった。ストレスを感じるような出来事が多い日でも、小さな親切行動がたくさんあった場合は、その出来事が感情や幸福感にほとんど、あるいはまったく影響を与えなかったこともわかった。あまり親切を報告しなかった日には、ストレスを生んだ出来事に対して
マイナスの感情を余計に経験していた。
親切がストレス源の影響を和らげたのだ。
つまり、生活の中で親切のレベルが上がれば、マイナスの感情とストレスのレベルが下がるということだ。さらに、ストレスの多い出来事を経験しても、親切でマイナスの感情を抑えることができるのだ。
「親切をした分だけストレスが少なくなる」
相手にも感謝されながら、自分も氣持ちが楽になるって、なんだか一石二鳥だと思いませんか?
情けは人の為ならず
ちなみに、「親切なことをする」だけじゃなく、「親切な行ないを見たり、聞いたり、思い出したりする」だけでも同じ効果があることがわかっているようです。
つまり「一人ひとりの親切な行ないは自分自身を癒すことはもちろん、それを見たり、聞いたりした周りの人のストレスを軽減する効果ももたらしていた」ということ。
そう考えると、あなたが行なった「親切」の効果は、知らず知らずのうちに、周りの人にも影響を及ぼしていて、それは巡りめぐって、また自分自身の健幸にもつながっているということになります。
「何をすべきか、どの方向を向けばいいのかわからなくなったら、親切をしよう。
親切はいつでも正しいことだから。
いつでも正しい道だから」
有機化学博士
デイビット・ハミルトン
「情けは人の為ならず」という諺は、先人が体験から得たメッセージだったんですね。
参考文献『親切は脳に効く』デイビット・ハミルトン著(サンマーク出版)