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Vol.194 6月 1分間、よく噛んで味わう


たったの1分で、誰もが“健脳”になれる!
とても簡単で、よく効く「1分間でできる“脳活”法」を紹介します。

今月の1分間“脳活”法

1分間、よく噛んで味わう

前回に引き続き、今年82歳になった医学博士・帯津良一先生の超人的な活動を支える食生活を、共著『死ぬまでボケない1分間”脳活”法』の対談から抜粋してご紹介します。

食べ過ぎないコツ

 帯津良一先生(以下、帯津) 私は、満腹になるまでは食べません。昔から「腹八分目に病なし」と言われるように、食べ過ぎは万病の元なんです。

鳴海 「腹十二分に医者足らず」というのも、聴いたことがあります。エジプトには「人は食べる4分の1で生きている。あとの4分の3は医者が食う」という言葉もあるとか。昔から「食べ過ぎ」は戒められてきたんですね。

帯津 外科医として多くの手術に立ち会っていた頃、臓器と臓器の間になぜ隙間があるんだろう?と、いつも不思議に思っていたんです。ある時、ふと「この隙間にこそ、生命の本質ともいえるエネルギーが潜んでいるのではないか」と思いつきました。臓器と臓器は、この「隙間」という空間を通じてつながりを持っている。つまり、「隙間」によって、からだとしての秩序が保たれているんじゃないか。「生命の大本」は「隙間」にあった、と思い至ったんです。「満腹」という状態は、まさにこの逆。食べ過ぎの弊害は、からだのつくりからも明らかなんです。

鳴海 自然の一部である私たちのからだが、そのようなつくりになっているのは、「食べ過ぎない」ことが、自然の摂理にもかなっている、ということなのでしょうね。

帯津 食べ過ぎないためには、ゆっくりとよく噛んで食べることが一番でしょう。脳にある満腹中枢と胃腸の感覚には、時差があります。「もう、お腹いっぱい」と思った時には、すでに食べ過ぎているということです。よく噛んでいるうちに、時間が経って、この時差が縮まる。結果、食べ過ぎずに済むというわけです。

鳴海 認知症と糖尿病の関係については、ここまでで何度も述べてきましたが、食べ過ぎないことは糖尿病の予防にもつながりますね。また、たいていの菌は、唾液に30秒間つけるだけで無毒化されるそうです。唾液は、糖尿病とも関係が深い歯周病予防にもなりますから、ひと口につき、30秒( 30回ほど)噛むことで、メリットがたくさんありそうです。

帯津 たしかに、唾液の効用は大きいでしょうね。噛むことは、リズム運動でもあるので、心身の健康バランスを調える作用があるセロトニンも分泌されます。また、噛む時に使われる筋肉は、全身の筋肉ともつながっていますから、知らず知らずのうちに、筋力トレーニングにもなっている。まさに、いいことづくめです。

鳴海 時間をかけて食べることで、血糖値が穏やかに上昇するということもありますね。糖尿病のリスクを高める急激な血糖値の上昇は、少ないに越したことはないでしょう。食べる順番を、野菜から、魚や肉といったたんぱく質、最後にご飯などの炭水化物、とすることも、血糖値の急激な上昇を抑えてくれるようです。

帯津 コース料理、懐石料理などの順番は、たいていそのようになっていますね。先人たちは、からだの声を聴きながら、健康によい食べ方の順番を決めたのかもしれません。血糖値の上昇を穏やかにする方法として、食後の散歩もいいでしょう。※貝原益軒さんの『養生訓』にも「食後に300歩ほど歩くといい」と書いてある。300歩というと約3分ですから、手軽にできますね。

鳴海 私も、貝原益軒さんにならって、食後に散歩をしていますが、本当に氣持ちがいいんですよね。最近は300歩では満足できなくて、毎食後、1500歩(15分)ほど歩いています。血糖値は、食後30分から1時間でピークになって、このタイミングでからだを動かすと、10〜15%ほど下がるのだそうです。氣持ちがいいことは、からだにいいんですね。

帯津 おっしゃるように、食後の過ごし方も大切です。食べた後は、なるべく3〜4時間経ってから寝ると、質のよい睡眠が得られますよ。
 

今月のオススメ! 1分間脳活法

1分間、目をつぶって味わう

 ひと口の噛む回数を多くすると、食べる量が減っても、満足感は変わらなくなります。  
 さらに「目をつぶる」ことで、視覚を閉じている分、いつもよりたくさんの味覚を感じられるようになり、ふだんはしない「目をつぶって食べる」という新しい体験もまた、脳にとてもよい刺激となります。

食事の中盤で一旦、箸を置く

 こちらも、満腹中枢との時間差を縮めて、食べ過ぎを防ぐ方法。理想は、ひと口ごとに箸を置いて、ゆっくりと噛むことですが、最初は、食事の中盤あたりで1分間箸を置き、少しずつ慣らしていきましょう。

  ゆっくりと、よく噛んで味わうだけの簡単脳活法、ぜひお試しを。
 
 

参考文献
「死ぬまでボケない 1分間“脳活”法」帯津良一・鳴海周平著(ワニ・プラス)
 

 

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