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【vol.52】こころとからだの健幸タイム|ゲスト 合田 道人 さん~後編~


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 音楽事務所、芸能プロダクション代表として数々の音楽番組を構成、プロデュースする傍ら、著作累計60万部を超えるベストセラー作家としても活躍している合田道人さん。
 前編の『案外、知らずに歌ってた 童謡の謎』に続き、後編となる今回は『全然、知らずにお参りしてた 神社の謎』についてお話を伺いました。

 

鳴海周平(以下 鳴海)
 『案外、知らずに歌ってた 童謡の謎』シリーズと共に、道人さんの代表作となっているのが『全然、知らずにお参りしてた 神社の謎』シリーズです。
 初めて食事をご一緒させていただいた際も、神社の話で大いに盛り上がりましたね。

合田道人さん(以下 合田)
 そうそう、夜7時ごろから食べ始めて、氣づいたら朝の3時を過ぎてた(笑)。お互い「目に見えない世界」に関心が深いから、いくらでも話が続いちゃうんだよね。
 そもそも、僕が神社まわりをするようになったきっかけを創ってくれたのが、あなたと同姓同名のピアニスト・鳴海周平だっていうのも不思議なご縁。「お守りやおみくじはたくさんになってしまうから」と言って、「ご朱印」というものを教えてくれたのが彼だったんです。

「ご朱印」から始まった神社巡り

合田 神社に詣でた際に、社務所でいだだける「朱色の印」がご朱印で、大体の神社は300円から500円ほどで押してくれます。
 このご朱印を初めて押してもらったのが、故郷の北海道神宮。神社名と日付を墨で書いてもらったときは、なんだかとても嬉しかったなぁ。あれからまだ3年ちょっとだけど、ご朱印帳は10冊以上、詣でた神社も500社を超えていると思う。
 ご朱印は神社によって違うから、最初はスタンプラリーのような感覚だったんだけど、そのうちにだんだん、神社によって特有の「氣」のようなものがあることを感じられるようになってきたんだよね。

鳴海 たしかに、その神社特有の「氣」というのはありますね。鳥居をくぐった瞬間から、ピーンと張りつめた中にも清々しく透明な空氣感があったり、フワーっとした温かい「氣」で包み込んでくれるような神社というのは、何度も詣でに行きたくなります。

合田 最初は「宝くじがあたりますように」とか「この仕事が成功しますように」とかお願いしてたんだけど(笑)、そういう「氣」がわかってくると、「わー、嬉しい!やっとお会いできましたね」という言葉が、自然に口をついて出てくるようになるんだよね。元氣にこの神社に来られたことだけで、心の底から感謝の氣持ちが湧いてくる。
「苦しいときの神頼み」を卒業して、初めて本当の意味での「ご神徳」がいただけるのかもしれないなぁ。

神社詣でにも基本がある

合田  「八百万の神」というように、神社によっていろいろな神様が祀られているんだけど、参拝の基本はだいたい同じだから、神様へ挨拶に行く際の礼儀作法として覚えておくと便利だよね。
 例えば、鳥居をくぐる際には帽子をとって一礼する、ということもその1つ。
 ちなみに鳥居は、天岩戸に隠れてしまった天照大御神を、朝だと勘違いさせて誘い出すために鳴かせたニワトリが止まった木(鳥が居る場所=鳥居)という説や、ここを神様が「通り」中へ「入る」が変じたという説、諏訪大社の御柱際で立てる儀礼の柱がその原型になったなど、いろんな説があるんです。

鳴海 そんな悠久の由来に想いを巡らせると、帽子をとり、一礼して鳥居をくぐるのは、とても自然なことのように思えますね。

合田 それに、鳥居は神社の玄関みたいなものだから「失礼します」という挨拶の氣持ちで一礼するという意味もあると思う。他所の家で「ごめんください」も言わずに、ずかずか入って行ったら通報されるのと同じです(笑)。
 お参りの前に手や口を清める「御手水」も大切。
 これは、聖域を訪れる際に、その周りに流れている川や泉、湧き水などで身を清めたことが起源で、遡ると神話の中の「禊祓い」になる。
 穢れは氣枯れ、つまり氣が枯れている状態なので、それを「禊祓い」で元に戻す(=元氣になる)ための作法なんだよね。

鳴海 そういえば、神話の中で神々が生まれる場面も「みそぎ池」が舞台でした。
 水が生命の起源そのものであることとも関係しているのかも…。うーん、神道は奥が深いですねぇ。

お賽銭はいくら入れたらいい?

鳴海 道人さんの本の中で「いけないお賽銭の額」というお話もありました。

合田 まあ、神様だから「いくら以上から受け付けます」みたいなものはないだろうだけど(笑)、語呂の響きから氣をつけた方がいいかなという金額はあるでしょうね。
 これは中学2年生のとき、はとバスのガイドさんが教えてくれたんだけど、「10円は遠縁(とおえん)と読むからよくない」っていうの。子供心にも、「あー、なるほど」って思って、それから10円玉ひとつだけを賽銭箱に入れたことはないんだよね。
 1円を足して11円(いい縁)とか、少し奮発して41円(よい縁)とか(笑)。大人になってからは「始終(いつも)ご縁がありますように」と45円(しじゅうごえん)を入れることが多いかな。

鳴海 神様だから、本来はいくらでもいいのだと思いますが、語呂の響きも含めて氣持ちよい金額にこしたことはないのかもしれませんね。

合田 どこの神社へ詣でるときも参拝の基本は同じ、という話をしてきたけれど、そもそも初詣でや厄払い、七五三や成人式といった節目を含めて、日常的に詣でる神社は、本来自分が住んでいる近隣の氏神様へ行くのが正式で、有名な神社にわざわざ人混みをかき分けて詣でる必要はないんです。

鳴海 氏神様というのは、自分たちの生活に密着している神様ですね。

合田 そうそう。昔からその土地に住んでいる人は、先祖代々詣でてきた神社だからわかりやすいよね。じゃあ、引っ越して来た人はどうかというと、その土地を管轄している神社が氏神様になる。わからなければ、各都道府県にある※神社庁に問い合わせれば、すぐに教えてくれます。
 本来は、生まれたときに住んでいた自宅近くの神社を産土神社といって、ここが魂のルーツになるわけだけど、引っ越しても、神様の世界はネットワークでつながっているらしいから大丈夫。管轄の氏神様を、安心して詣でてください。
 ※神社本庁 03-3379-8011

厄年は「躍年」「益年」「役年」

合田 それともう1つ、神事は基本的に「旧暦」に則っておこなわれる、ということも覚えておきたいところ。
 今から140年ほど前に、鎖国が解かれたことをきっかけとして、和暦がグレゴリオ暦に改暦されたんだけど、神道は基本的に旧暦の和暦をもとに神事をおこなう習慣が残っているから、今の暦だとおよそ1ヶ月ほどのズレが生じてしまうことになるんです。

鳴海 2015年の元旦は、旧暦だと2014年11月11日だったそうですね。まあ、今回は1がたくさん並んでいて、元旦っぽいからヨシとして(笑)、「旧暦の正月=立春のころ」ということを目安にしておくといいでしょうね。

合田 旧暦に従うと、年齢も「満」ではなく「数え」になるんだよね。数え年の考え方は、生まれた年が既に1歳で、次の年の正月がきた時点で2歳になっちゃう。だから、厄年のお祓いに行くときは、旧暦で自分は何歳なのかを確認してからいくといい。
 ちなみに、厄年は男性が25歳、42歳、61歳。女性は19歳、33歳、37歳、61歳。特に、男性の42歳と女性の33歳は大厄とされているんだけど、これは体調の変化や仕事の転機などが訪れやすいタイミングだということなんじゃないかな。
 僕の場合は、作家活動を始めたのが厄年を迎えた年で、このときに発売した『童謡の謎』シリーズが、その後の僕の人生を大きくかえることにつながったんだけど、ある人がこんなことを言ってたなぁ。

「厄年とは、厄年だけではなく、飛躍の〝躍年〞だったり、ご利益の〝益年〞だったりする。人のために役立つ〝役年〞だったりもする」

鳴海 「お賽銭の額と同じように、言葉の語呂をどう解釈するかで、氣の持ちようがまったく変わってくると思います。 体調や生活の転機である厄年も、そうやって前向きに捉えたいものですね。

これだけは知っておきたい神社を参拝するときのマナー
●鳥居では、帽子をとって一礼

●御手水は、柄杓1杯の水で、左手、右手、(左手で受けた水で)口、そして再び左手、という順番で行なう。

●鳥居も参道も、真ん中は避けて通る(真ん中は神様の通り道)。伊勢神宮の内宮のように右側通行のところもあるが、ほとんどは左側通行。

●参拝は、①(軽く)一礼 ②(深めに)二拝③ 二拍手 ④ (深めに)一拝 ⑤ (軽く)一礼の順番で。拍手で手を合わせる際は、左手を少し上にずらす。

●お願いごとよりも、ここへ来られたことへの「感謝の氣持ち」を伝えることが大切。

目に見えない世界のお導き

合田 今から20年くらい前に家を建てたとき、親しくお付き合いしていた取引先の社長さんから神棚を貰い受けたんです。
 その神棚は、社長さんがずっと使っていたものだったんだけど、事業拡大に伴って神棚を大きなものに替えるというタイミングに、ちょうど僕が「それ、新築祝いに欲しいんですけど」ってお願いしたわけ。

鳴海 神棚も、そうやって貰い受けることができるんですね。

合田 新しい神棚に替える場合、本当は神社などでお焚き上げしてもらうものらしいんだけど、当時はそんなことまったく知らなかったからねぇ(笑)。
 でも、その社長さんが、神事をお任せしていた先生に訊いたら「合田さんなら、しっかりお祀りするようになるからいいですよ」とおっしゃっていただいたとのことで、我が家の神棚としてお迎えすることができたんです。
 そのとき、その先生に「合田さん、これからどんな人生を歩みたいですか?」って訊かれたから、「仕事でいっぱい全国を回るようになっていきたい」と答えたのね。

鳴海 いま、まさに「仕事でいっぱい全国を回ってる」じゃないですか(笑)。

合田 そうなんだよねぇ。でも、当時はまだ作家活動もしていなかったし、会社の運営が主な仕事だったから、歌手活動も開店休業状態。そのあと『童謡の謎』シリーズがベストセラーになって、「童謡なんだから、歌いながら講演をするのがいい」ということで、各地をコンサートでまわることになるとは思ってもいない時期だった。
 あのとき先生が「はい、わかりました」と言って神棚に入れてくれたお札が、きっとさまざまなご縁をつないでくれたんじゃないか、って思うんだよね。

鳴海 そのお札は、どこかの神社のものだったんですか?

合田 いくつかのお札が、金色とか白の紙で包まれていて、たぶん説明してくれたんだと思うけど、当時はあんまり関心がなかったから(笑)まったく覚えていなかったわけ。ところが、一昨年『神社の謎』を書き上げてから、「そういえば・・・」と思って、あらためて見てみたら、僕がその本の中で紹介している「厳選!必ず行くべきほんもののパワスポ神社」のお札ばかりが入ってたの!
 実際に行って、パワーを感じ、厳選して書いた神社すべてのお札が、20年前、既に我が家の神棚に納められていたという事実を目の当たりにして、目に見えない世界のお導きをあらためて実感したなぁ。

融合・統合・調和の時代へ

合田 たぶん、こういう類いの話って、一昔前だったら「えー、ウッソー!」とか言われたんじゃないかと思うんだけど、最近は皆、普通に話してるよね。

鳴海 はい、私たちの仲間内では特に(笑)。
 昨今は、伊勢神宮や出雲大社の遷宮などもあって、目に見えない世界を身近に感じる機会が増えてきたのでしょうかね。

合田 一昨年のダブル遷宮は、60年に1回のこと。滅多にない機会だから、ということで足を運んでみて、その場で実際に厳かな「氣」が感じられると、目に見えない世界がグッと身近になる。おかげで、周平君や僕の話も、だんだんアヤシげじゃなくなってきた(笑)。

鳴海 アヤシいついでに言うと(笑)、ここ数年「祈りの旅」をしているんですが、各地のスポット(神社や磐座など)が、どんどん開いてきているように感じるんです。そして、どこへ行っても「融合・統合・調和」というキーワードに関係したものが現れます。
 今という時代は、これまでバラバラだったものが1つになる「新しい時代」への転換期真っ只中で、後世の人たちが振り返ってみたときに「時代が大きく変わったのは、あのときだったね」というタイミングなのかもしれません。

合田 昨年10月に高円宮家の次女、つまり大正天皇のひ孫にあたる典子さまと出雲大社の神職、千家国麿禰宜がご成婚されたでしょう。
 皇室と出雲国造家との婚姻は、日本の歴史上でも重大な意味を持つことだし、伊勢と出雲の合体は、まさに「融合・統合・調和」の象徴とも言える出来ごと。
 人類は、いまだかつて経験したことのないような、本当に素晴らしい時代へ向かっているように思えてくるよね。

鳴海 道人さんが伝えていらっしゃる童謡も、神道も、目には見えないけれども、日本のたいせつな文化として、表から見える世界の礎になっているものだと思います。
 目に見えない世界にこそ、目に見える世界のひな形があるのかもしれませんね。
 今日は貴重なお時間をどうもありがとうございました。

 

合田 道人 プロフィール

1961年北海道釧路市生まれ。1979年高校在学中に渡辺プロダクションからシンガーソングライターとして「釧路にて」でデビュー。その後、音楽番組の構成から歌手、作家、作詞家、作曲家、音楽プロデューサー、ラジオDJなど多方面で活躍。童謡の持つ意味をひも解きならが伝える『合田道人 童謡なぞなぞコンサート』も全国で大好評を博している。
著書『童謡の謎』シリーズ(祥伝社)は、新刊『本当は戦争の歌だった 童謡の謎』で12弾目。
『神社の謎』シリーズ( 祥伝社)も第3弾が今秋発売される。
 

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