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Vol.144 04月 血も汗も涙もしょっぱいのはなぜ?


少しずつ暖かい日が増えてきましたね。
今回は「塩分」についてのお話です。

塩分はあまり摂らない方が良い?

 塩分は良いか、悪いか。あなたはどう思いますか?
 この議論のそもそもの発端は、1960年代にまで遡ります。
 当時のアメリカの学者が、塩分を多量に摂取していた地域に高血圧の人が多かった、という研究結果を発表したのがきっかけです。
 これには当時からたくさんの反論も出たようですが、氣がつけばいつの間にかスタンダードな考えとして広まっていました。
 ただ、塩に関する研究データは本当に様々で、塩分の摂取量と高血圧には何の因果関係も認められなかった、という報告も複数あり、結論はいまだに
はっきりしていないようです。
 都道府県別の平均寿命で男女共にトップとなった長野県では減塩を推進していますが、「歩け歩け運動」でからだを動かす機会を設けたり、野菜の摂取量が日本一であったり、と他にもたくさんの長寿要因がありますから、これもはっきりと「減塩がいい」とは言えません。もっとも、おやつにも野沢菜漬けが出ていたくらい塩分摂取量が多い地域でしたから、それがりんごなどの果物に変わっていったことで、習慣化された塩分摂取量が、本来からだが欲している適量になった、ということはあるのかもしれませんが。 

塩は保存効果が高い

 日本はとても湿気が多い国です。そのため、昔から食べものを発酵させて保存するためにも塩は必要不可欠でした。
 ユネスコの無形文化遺産にもなったヘルシーフード和食が、適度な塩分と切っても切り離せない関係にあるのは、そうした食文化の歴史が大きく関係しているのでしょう。
 四方を海に囲まれているわけですから、そこから採れる塩を活かすことは、自然の摂理にも適ったことだと思います。
 むしろ、減塩することで、化学的な保存料を添加することの方がからだに良くない、と言えるのではないでしょうか。
 ただ問題なのは、せっかく海からいただいた自然の恵みを、人間の都合で過度に精製してしまっていること。たくさんのミネラル分が入っているのに、塩化ナトリウム99.9%まで精製してしまうのは、自然界の組成を崩してしまっていることになります。
 自然の状態に近い天然塩であれば、心臓や腎臓などに持病があって塩分を摂ってはいけない、という人以外、特に減塩を氣にする必要はない、というのが私の考えです。

適度な塩分摂取は、自然の理に適っている

 拙著『健康の基本』監修者でもある医学博士の帯津良一先生は、自分の病院の婦長さんにゲルソン療法という「塩分をいっさい摂らない食事療法」を体験してもらったそうです。すると、体験三日目くらいにひどい頭痛に襲われて、咄嗟に持参の塩昆布を食べたところ、すっきり治ってしまったと言います。
 当の婦長さんは「塩はやっぱり必要!」と、しみじみおっしゃっていました。
 下痢や嘔吐が続いて脱水症状が起きた時、水だけを飲ませてもすぐに吐き出してしまうのは、体内の塩分濃度がそれ以上薄くならないための自然な反応です。これが「生理食塩水」だとからだが受け付け、症状も改善されるのは、からだが塩分濃度を何より重要視している証拠でしょう。
 血も汗も涙もしょっぱいのは、からだに塩が必要であることの何よりの証。
「手塩にかけて育てる」とか「いい塩梅だ」という言葉からも、先人が塩をいかに大切にしていたかがわかります。
 母なる海はしょっぱいし、神棚にお供えするのも、水と米と塩。
 必要なものは自然の恵みとして存在し、先人たちはそのことをきちんと教えてくれていたんですね。

参考文献 「あなたに贈る食の玉手箱」星澤幸子・鳴海周平著・ワニ・プラス刊

 

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