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Vol.128 12月 ストレスと上手に付き合う方法


 健康に関する様々な情報が溢れている中で、健康のために本当に大切なのは「からだの声をきくこと」だと思います。
 今月も引き続き「からだの声をきいて健康を保つ」というテーマでお話します。

 健康情報誌「日経ヘルス(日経BP社刊)」の副編集長として様々な健康情報を世の中に送り出し、現在もフリーライターとして活躍中の北村昌陽さん。
 今回も北村さんの著書「カラダの声をきく健康学」から、からだの声をきくことの大切さを学んでいきたいと思います。

凝っているのに、凝っていない

 肩が凝っているのに氣づかない人、逆に、触っても筋肉は凝っていないのに凝っている自覚がある人は「からだの声」がきこえていない状態かもしれません。
 前回お話しした「原始的な脳」が「凝っているよ!」と声を発しているのに、理性や理論を担当している「新しい脳」がそれに氣づかない状態、或いは「原始的な脳」が何も言っていないのに「新しい脳」が「凝っている!」と1人で騒いでいるような状態とも言えます。いずれも、脳内のコミュニケーションがうまくとれていないことが原因です。
 こうした「コミュニケーションのズレ」の大きな原因がストレス。毎日の生活の中で蓄積されたストレスが「からだの声」をきこえにくくしているんですね。
 ただ、見方を変えるとストレスも「からだの声」の一部。「嫌だなぁ」と感じることは、こころとからだが健康を害するものとしてそのことを認識し、何らかの行動をとるよう訴えているサインでもあるのです。

あなたのストレスは「野生的?「我慢型」?

 気温が上がって「暑い」というストレスを感じた時、体内では、体温を調節するホメオスタシス(恒常性)が働きます。また、喉が渇いたり、お腹が空いたりといったストレスには、「水を飲みたい」とか、「何か食べたい」という感情が湧いてきます。大昔は、こうした「水や食べものの不足」や「外敵から身を守ること」といった、生命に関わる本能的なストレスが大半を占めていたことでしょう。
 では、現在はどんな時にストレスを感じるでしょうか?
 大昔と違って、水や食べものについては「いつでも手に入る」という安心感がありますし、「外敵がいつ襲ってくるかわからない」という心配もまずないでしょう。
 でも、その替わりに増えたのが人間関係などに関わる「我慢型ストレス」。
 会社では上司や部下に氣を遣い、家に帰ると奥さんにも氣を遣う(我が家のことではありませんよ)・・・というケースです。
 ストレスには前者のように本能的な欲求からくる「野生的なストレス」と、後者のような「我慢型ストレス」があります。
 私たちのからだは、ストレスを感じると、それを解消しようとする働き(ホメオスタシス)によって生命を維持していますが、欲求の目的が達成すると解消される「野生的ストレス」と違って、慢性的な要素を持つ「我慢型ストレス」は、私たちのからだが発している声を、理性的な脳で抑え込んでしまっている状態です。
 現代は、こうした慢性的な「我慢型ストレス」によって、からだの声がきこえにくくなっている時代なのかもしれません。

ストレスと上手に付き合う方法

 とは言え、こころとからだを健康に保つためには「我慢型ストレス」とも上手に付き合っていく必要があります。
 北村さんは「カラダの声をきく健康学」で、次のようなヒントを紹介しています。

〈考え方を変えてみる〉
 ボランティア被験者に、体にとってストレスになる薬剤を点滴し、分泌されるストレスホルモン量を調べる、という実験(2005年・米国)で、被験者の手元に点滴を止めるスイッチを用意したところ、スイッチがない時に比べて、ストレスホルモンの分泌量が5分の1まで減ったそうです。
 このことから「いつでも逃げられる(止められる)」という安心感があるだけで、ストレスホルモンが大幅に減少することがわかります。
 ストレスを感じている環境は、本当にあなたをがんじがらめに縛り付けているのでしょうか?「環境はいつでも選択出来る」ということに氣づくだけで、ストレスは解消されていきます。

〈セロトニン神経を活性化させる〉
 セロトニン神経が活性化すると、ストレス耐性も強まることがわかっています。
 太陽の光を浴びる(特に朝がオススメ)、リズミカルな運動をする(ウォーキングや咀嚼、呼吸法など)、スキンシップをはかる(家族やペットなどと肌の触れ合いをする)といったことが、セロトニン神経を活性化させ、ストレスに強い心身をつくってくれます。

 ストレスと健康は表裏一体の関係です。
 上手にストレスと付き合うことは、私たちのこころとからだをいっそう健康にしてくれるのです。
  

参考文献 「カラダの声をきく健康学」 北村昌陽 著 (岩波書店)

「健康の基本~心と体を健康にするカンタン習慣63~」(1,400円+税)
 鳴海周平・著 帯津良一・監修

「こころとからだの健康タイム」10年間の連載を集大成した本がついに完成!!
 エヌ・ピュア代表の鳴海周平が25年間に亘って研究・実践してきた健康のコツを
わかりやすく解説している健康本の決定版です。

「健康の基本~心と体を健康にするカンタン習慣63」についての詳しい内容を見る

 

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