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Vol.114 10月 からだの声を素直にきくことの大切さ


 食欲の秋、運動の秋です。美味しく食べ、楽しく運動するためにも、生活習慣をもう1度見直してみましょう。

 今回もベストセラー作家の五木寛之さんが実践している「養生法」を紹介したいと思います。 

 健康法や養生法の研究家としても知られているベストセラー作家の五木寛之さん。

 長年さまざまな健康法を試してきた五木さんは「頭で判断するよりも、気持ちがいいか、楽しいか、長続きするか、自分に合っているか、それがすべて」と著書の中で述べながら、現在実践している養生法を紹介しています。
 

筋トレのススメ

 「筋トレ」と言っても、五木さんはわざわざジムに通うことを勧めているわけではありません。(たぶんムキムキのマッチョではないと思いますし・・・)

 例えば、タクシーで信号にひっかかった時には括約筋(かつやくきん)をギュッと締めているそうです。青になるまでに何回できるか、と楽しみながらやっていると信号待ちもイライラしなくなったと言います。

 また歯磨きの後には下顎をグッと前に出したり、舌を思いっきり鼻の方へ伸ばしたりという仕草を習慣にしているそうで、5、6年続けた現在は、鼻の頭まであと5ミリというところまできているとか。舌ってこんなに伸びるものなんですねぇ。

 他にもタクシーに乗っている時などには舌を奥の方に巻き込んでみたり、口の中でぐるぐる回したり、ということも習慣にしているそうです。

 ちなみ括約筋の強化は前立腺肥大の予防に、口周りの強化は滑舌を良くしたり、睡眠時無呼吸症候群を予防するためにも役立つとのこと。

 百歳を迎えた今も元気に全国を飛び回っている日野原重明先生は、エレベーターやエスカレーターを使わず、階段での移動で筋肉を鍛えていると言います。(2段飛ばしで、という説も!!)

 年齢と共に低下しがちな筋肉を鍛えるチャンスは、毎日の生活の中にたくさんあるということですね。

身体は何と言っていますか?

 若い頃、車に凝っていた時期があるという五木さん。車の故障は早めにその予兆を感知できるかどうかが大事ということで、音とニオイ、振動の3つには、常に注意を払っていたそうです。

 同じように、身体も様々なサインを出しているのではないか、というのが五木さんの考えです。青年期から中年期にかけて悩まされたという片頭痛が改善するまでの経緯を次のように述べています。

 「月に一度か二度は、必ずその発作にみまわれたものでした。いったん始まってしまうと、五日間ほどは地獄です。吐くに吐けず、トイレの前で便器をだいてぶっ倒れて夜を過ごしたりもしました。頭をがんがん壁に打ちつけても、治まらない強烈な片頭痛でした。やがてあれこれ考えているうちに、自分の発作に天候が関係していることに気づきました。雨の降る前がよくないのです。降ってからではなく、高気圧から低気圧に変わってくる直前です。それに気づいてから、毎日天気図を読むようになりました。さらに、片頭痛の発作の前におこる体の予兆を、いつも気をつけて感じるようにつとめることにしたのです。」

 予兆に気をつけることで「唾液が妙にべとつく感じがある、熱はないのに首のうしろが熱い、上瞼が少したれさがってくる」といった予兆に気づいた五木さんは、こうした感じがしたらすぐに「アルコールは飲まない、風呂には入らない、過食はさけ、仕事も控える、激しい運動はやめて、できるだけ横になっている」などの対策を講じるようにしたそうです。

 こうした早目の対策のおかげで、だんだんと発作は少なくなり、今ではまったく片頭痛に悩まされることはなくなったとのこと。

 身体の声を素直に聞くことの大切さがよくわかるお話ですね。

時間を勘で当ててみよう

 「老化というのは、なにも足腰だけにくるものではありません。時間をよむ動物的感覚も、同時に鈍くなってくるのです。」と五木さんはおっしゃいます。

 この勘を鈍らせないために「今、何時だろう?」と思ってもすぐに時計を見ず、いろいろな視点から推理してみることを勧めています。

 例えば、タクシーに乗った時に何分間乗っていたかを当ててみたり、ゴルフの時にグリーンまでの距離が何ヤードかを推測してみたりなど、様々なシーンでこの「時間推理」を応用している五木さん。最初は一時間単位で読みが外れていたそうですが、半年ほどでだんだん感覚が回復してきたとのことで「そのうち、昔の人のように、時計がなくても暮らせるようになるかもしれません。」と結んでありました。

 自然界のリズムと連動しているようで素敵ですね。
 
 五木さんは「皆それぞれ体質や環境、年齢、気質、経歴などが違うのだから、養生法も違ってあたりまえ」とおっしゃいます。

 紹介した方法は、あくまでも「五木さんに合った養生法」ですが、私も実際に体感して納得したものばかりですので、皆さんにもぜひ試してみてほしいと思います。

 そして、その中からさらに「自分に合った養生法」を見つけていただけたら幸いです。

参考文献 「きょう1日」 五木寛之 著 (徳間書店)

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