Vol.108 04月 笑いが免疫力を高める?
いよいよ春ですねぇ。季節の変わり目は、私たちの体も変化しています。
今月も引き続き※「未病」にアプローチする方法を紹介したいと思います。
※ 未病 ・・・ 東洋医学の思想。「何となく・・・」といった感じで、身体の不調が感じられる段階。この段階で適切な対処が出来ると、大きな病気にかかるリスクはぐんと減り、健康的な毎日を送ることが可能になります。
お笑い、好きですか?
「笑う門には福来る」昔からよく言われる言葉です。
腹を抱えるほどおもいきり笑った後は、なぜか心身共にスッキリしている、という経験をした方もきっと多いことでしょう。
最近(というかここ数年)は第何次かのお笑いブームで、テレビをつけると必ずと言っていいほどバラエティ番組が放映されていますので、部屋で大笑いしている方も多いかもしれません。(ウチの奥様がそうですが・・・)
最近の研究で「笑いが免疫力を高める」ということがデータのうえでも明らかになりました。「景気が悪くなるとお笑いが流行る」というのも、外的ストレスから体を護るための本能なのかもしれませんね。
NK活性を高めてくれる「笑い」
NK細胞という免疫細胞があります。この細胞は白血球の中のリンパ球に含まれていて、がん細胞を見つけると捕食して丸呑みしてしまうというとても頼もしい味方です。つまりNK細胞がたくさんあって活性化しているほど、がんになりにくいということになりますね。
ところがこのNK細胞、なかなか体内で増えてくれない事情があるのです。その大きな理由は「ストレス」。
ストレスがかかると、私たちの体は自律神経の交感神経が緊張するようになっています。交感神経は活発に動いている時に体内で優位になっていて、リラックス時に優位になる副交感神経とバランスをとりながら、体内を自動調整している大切なところ。ストレスが続くと、このバランスが崩れてしまうため、何となく体調がすぐれない・・・ということになってしまうんですね。
さらに交感神経の緊張はNK細胞が含まれているリンパ球をも減らしてしまうので、当然、がん細胞を排除する力も弱くなってしまいます。
「じゃあ、ストレスをためなきゃいいんじゃないの?」
はい、おっしゃるとおりでございますが、なかなか上手に解消出来ない方が多いのもまた事実。
そのため、副交感神経が優位になってNK細胞が活性化する「リラックスモード」は、意識的に行うことも大切なのです。
「リラックスモード」である副交感神経が優位になると、臨戦態勢をとっていた体に変化が起こります。心拍数が抑えられ血圧が下がって、胃腸等の消化器官の吸収も良くなります。そして何より「NK細胞」が大いに活性化するのです!!
この「体を意識的にリラックスモードにする」ために有効なのが、じつは「笑うこと」。
吉本興業さんに協力してもらった実験では、お笑いを観た後のNK活性が飛躍的に高まっていたことが確認されています。
医師で落語家でもある立川らく朝さんは「笑いながら、同時に心配することなんて誰にもできない。大笑いをして何も考えられない時に、人間は副交感神経が優位になっているんです。」と述べています。(竹中直人さんが昔「笑いながら怒る人」というのをやっていましたが・・・)
テレビやラジオ、綾小路きみまろさんのCDなどで、皆さんも日頃から大いに笑ってください。(私、きみまろさんのファンなので・・・)
NK細胞が活性化されるほどいつもニコニコ笑っているあなたの周りには、きっと健康の輪が大きく広がっていくことでしょう。