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Vol.084 04月 「健康のためには1日30品目以上食べると良い」は本当?


 春の気配があちらこちらで感じられるようになってきました。日の出も早くなり、心身ともにワクワクしてくる素敵な季節ですね。
 今回も引き続き、作家の五木寛之さんと医学博士の帯津良一先生による健康対談をご紹介したいと思います。

「健康のためには1日30品目以上食べると良い」は本当?

 飽食の時代、といわれるほど豊富な食料に恵まれている日本。戦後間もない頃には食糧難だったというのが信じられないほど食生活は豊かになりました。では当時と比べて健康状態はどう変化しているでしょうか?食糧難の時代を粗食で暮らしてきた年代の方々が平均寿命を押し上げてくれる一方で、豊かな食生活を送ってきた世代に生活習慣病が多い、という問題点がはっきりと浮かび上がってきます。
 こうした問題点をふまえたうえで「健康のためには1日30品目以上食べると良い」ということを考えてみた時に、五木さんは何となく違和感を覚えたそうです。

 帯津先生は五木さんの疑問に対して「30品目の科学的根拠はあいまいだから、こだわる必要はありません」と答えています。
この「30品目」というのは、国立がんセンターの薦めている数字で、がんを予防するためには30品目くらい食べたら発がん性のある食べ物の危険性も薄まるだろう、という考え方が基になっているそうです。でもよく考えると、それだけ発がん性のある食べ物が混ざるリスクも増えるわけですよね。(笑)ちょっと無理のある話だと思いませんか?

 チベットではトウモロコシの粉を羊の乳で溶いて、それを焼いて食べるだけ、という副食のとても少ない食生活を送っていますし、イヌイットの人たちは野菜をいっさい食べずに肉類だけで生活していたと言います。また人力車を引く人はご飯だけを食べている人の方が耐久力がある、とも言われています。健康は品数ではないんですね。

 それでもどうしても品数を増やしたい人には、こっそりとコツをお教えしましょう。それは「七味唐辛子をかけること」。これで7品目増えたでしょう。(笑)

休肝日は必要?

 帯津先生の楽しみは「朝に気功と夜に酒」だそうです。もうここで答えがわかってしまったかもしれませんね。(笑)「基本的に休肝日は必要ありません」というのが帯津先生の回答です。

 実際周りの長寿で健康な方を思い浮かべてみると、お酒を毎日楽しんでいる方がとても多いんですよね。

 ただ帯津先生は「1日のアクセントになるような(リラックスのための)飲み方で、適量を楽しむのであれば」という条件をつけています。適量は個人の体質によっても異なりますが、心身ともにリラックス出来る程度、と考えるとわかりやすいかもしれません。ちなみに私自身は「美味しいと感じられるうちは適量」と解釈しています。(笑)

身体は温めた方が良いか

 「平均体温を上げればたいていの不調は良くなる、という医師がずいぶんと増えてきたように思いますが、昔は薄着の方が丈夫になる、と言っていたんですよね。実際のところはどうなんでしょうか。」という質問が、五木さんから帯津先生に投げかけられました。

 体温が1度上がると免疫力も30%アップするという説や、36.9度以上体温がある人は病気にかからないという説など、身体を温めることの有効性を耳にする機会は確かに多くなりました。しかし一方で「薄着は健康のコツ」とか「毎朝の寒風摩擦が元気の基本」という方がいらっしゃることもまた事実。皆さんはどう思われますか?

 帯津先生は「人間の体質には、熱症と寒症があるので、一概に『温めることが良い』とは言えません。」と回答されています。人間の体質はそれぞれなので、ふだんから身体がポカポカしていて熱がっているような人をさらに温めてしまうと、逆に体調を崩してしまう可能性もある、ということですね。

 ただ現代は、ひと昔前と比べると平均体温が低下している、というデータがありますし、体温が免疫力に大きな影響を与えていることも事実のようですから、身体を温めて体調が良くなる人の方が圧倒的に多いかもしれません。

 「基本的に身体は温かく保たれていた方が良い。ただ比較的体温が高い子供の時や、身体が元気で活力のある時等は薄着で身体を鍛えておくのも悪くない」と帯津先生が仰っているように、年齢や体質、その日の体調などによって、臨機応変に対応する、というのが何事においても健康のコツのようですね。

参考文献 五木寛之 帯津良一 著 「健康問答」(平凡社)

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