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Vol.051 07月 健康のコツは「日本人らしい食」にあり


 いよいよ夏本番。暑い毎日を楽しめる体力づくりを、心がけたいですね。

私たちは、普段から食生活や生活習慣に気をつけることで、元気で快適な毎日を送ることが出来ます。

 今回も「病気にかかりづらい身体作り」のお話です。

身体も錆びる?

 釘をそのまま放っておくと、錆びてしまいます。これは、酸化といって、酸素と反応することで、劣化が進んでしまう状態です。

 この「酸化」という状態、実は私たちの身体の中でも起こっているんです。もちろん酸素は、私たちにとってなくてはならないものですが、必要以上に体内に出来てしまうと「酸化」する、つまり「錆びる」原因になってしまいます。

 米国アルバート・アインシュタイン医科大学外科の新谷弘実教授によると、身体に有用なエンザイム(酵素)を豊富に含む食品は、どれもフレッシュ(新鮮)で、酸化の進んだ(古くて、活きの悪い)食品とは、まったく逆の性質をもっているそうです。また、エンザイムは「酸化」を中和させてくれる働きをもっており、それは「食材・調理方法・食べ方」で決まる、と仰っています。

酸化を防ぐ食事とは

 新谷先生は著書の中で「酸化」を防ぐための食事についても紹介しています。

 先ず主食のお米についてですが、なるべく精製していない状態のもの(玄米や分搗き米)の方が酸化しずらいようです。リンゴは皮を剥いてしまうと、すぐに変色してしまいますが、これは酸化が進んでいる証拠です。お米も同じように、精米してしまうと酸化が始まってしまうので、なるべく皮のついたもの(玄米や分搗き米)にするか、精米したてのものを早めに食べきることを奨めています。精米してしまったお米は、なるべく真空状態で保管することも、酸化防止には効果的です。

 また、酸化を中和してくれるエンザイム(酵素)を豊富に含む食品としては、旬の野菜や果物など、新鮮な食べ物があげられています。酸化が進むということは、時間が経っているということでもあるので、逆に、採れたて、もぎたての旬のものは、エンザイムをたくさん含んでいるということになりますね。

「日本人らしい食」が健康のコツ

酸化が進みやすい食べ物のひとつに、油があります。

日本人はどちらかというと油っこい食べ物は苦手な人が多いようですが、これは風土と大きな関係があります。日本人が油ものを食べるようになったのは、ここ数百年のことです。そのため、民族(の遺伝)的に「油を消化する」働きをしている膵臓の機能が弱い、と言われているのです。油は、最も酸化が進みやすい食べ物のひとつなので「油っこいものが苦手」ということが、日本の長寿国要因なのかもしれません。

ただ、戦後特に普及した欧米食の影響で、油っこいものを好む日本人が増えていることも事実です。油ものが好きな人は、油の酸化作用を中和させるために「なるべく良く噛んで唾液で中和させる」ことと「調理してから時間の経った油ものは食べない」ことを心がけると良いでしょう。

また、日本人の腸の長さは、欧米人の1.2倍あると言われていますが、これは日本人が穀物と野菜を中心とした生活を送っていたからではないでしょうか。ちなみに、日本の野菜の種をアメリカに持っていって蒔くと、日本で育てるよりも、ずっと大きな実をつけるそうです。これは、土壌に含まれるミネラルなどの栄養分が、アメリカの方が高いためですが、こうした土壌で育った野菜を食べているから、肉食が多くても大丈夫なんですね。

千年以上も続けてきた食生活が作った身体の構造は、民族的な遺伝子として確実に受け継がれているはずです。日本という、海と山の幸に恵まれた風土にあった食生活は、自然に「病気にかかりずらい身体を作ってくれている」と言えるのではないでしょうか。

参考文献  新谷弘実 著 「病気にならない生き方」(サンマーク出版)

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