Vol.050 06月 からだの声を素直にきいて、自分に合った「食歴」を創ろう
少しずつ暖かい日が増えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
私たちは、普段から食生活や生活習慣に気をつけることで、元気で快適な毎日を送ることが出来ます。
今回も「病気にかかりづらい身体作り」のお話です。
あなたは、お粥派?ご飯派?
風邪をひいた時や身体が弱っている時などには「お粥」を食べることが多いですよね。これは一般に「お粥は消化が良く、胃腸に負担をかけにくい」といわれているからだと思います。
ところが米国アルバートアインシュタイン医科大学外科教授の新谷弘実先生の病院では、お粥ではなく最初から普通食を患者さんに食べさせているそうです。これは「お粥だと噛む必要がないため唾液が出にくくなり、逆に消化が悪くなってしまうため」だそうです。噛むことによって有用な酵素がたくさん混ざり合い、消化吸収の効率を良くしてくれるらしいんですね。
但し、身体が欲求している時(お粥が食べたい時)は、それが今の身体の状況に合っているということですから、無理に普通食にしなくてはならない、ということはありません。
お粥でも、ご飯でも素直に「食べたいな」と思う方、つまり「身体の声を素直に聴く」ことを心がけることで「常識にとらわれない食生活」が実践出来ると思います。
「あなたはあなたが何を食べているかできまる」
一般的には常識と思われている食の習慣も、体質などによっては逆の場合もあり得るということですね。
私たちの身体は明らかに毎日の食事が基になって構成されています。その人がどんな食生活をしてきたかを「食歴」と言いますが、新谷先生は「例えばガンの患者さんは動物食をたくさん摂っている傾向にある」という食歴の一つの方向性を示しています。
「成人病」が1996年から「生活習慣病」という名称に変わったのも、「食生活を含む日々の生活習慣が身体を創る」という考え方からだと思います。
子供と一緒に囲む食卓が、そのまま次世代にまで引き継がれることを考えると、私たちの「食歴」はこれからの歴史を創っている、と言っても過言ではありません。自分の身体はもちろんですが、後々には子孫の食習慣や心身にも大きな影響を及ぼしていくことを考えて、改めて現在の食習慣を見直してみたいものです。
健康のカギは「エンザイム」?
前出の新谷弘実先生は「生命があるところには必ずエンザイムがある」と仰っています。エンザイムというのは酵素のことで、体内でたくさんの有用な働きをしています。このエンザイムは、フレッシュなものにたくさん含まれていて、旬の食べ物や新鮮な食べ物を「美味しい」と感じるのも、身体がこのエンザイムを欲しているからだ、ということです。
逆に、添加物の多い食品や、酸化の進んだ食品は、体内のエンザイムを消費させるため、なるべく時間の経過した油物などは控えた方が良いそうです。
身体が自然に「美味しい」と感じるかどうかが大切ですね。
私たち人間の身体も自然の中の一部です。四季折々の環境の変化に応じて、咲く花や実る農産物が変わるように、私たちの身体が欲するものも変化します。
「身体の声を素直に聴く」ことで、常識にとらわれない、自分の身体に合った「食歴」を創っていくことが出来たらいいですね。
「あなたはあなたが何を食べているかできまる」のですから。