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Vol.042 10月 「黒い砂糖は命を延ばし、白い砂糖は命を縮める」


 皆さん、毎日美味しくご飯を食べていますか?
 「快食・快眠・快便」は、私たちが健康で快適な生活をおくるための大切な要件です。
 今月からは、数回にわたって「快食のコツ」をお話したいと思います。

長寿国・日本の不安

 現在、日本は世界一の長寿国です。女性が85.59歳、男性が78.64歳(厚生労働省2004年簡易生命表)という日本人の平均寿命は、男女とも5年連続で過去最高を更新していて、女性は20年連続の世界一、男性は前年の3位から香港を抜いて2位となりました。(ちなみに1位はアイスランドで、平均78.8歳です)

 でもちょっと気になるデータもあります。こうした長寿を重ねている世代がいる一方で、逆に平均寿命を縮めている世代もあるんですね。80歳、90歳を超える世代はとても元気なのですが、中高年に限ってみるとかなり不健康な状態にあるようです。原因はいろいろと考えられますが、時代の流れを考えると戦後急速に広がった欧米型の食生活、つまり食べ物の変化が最も大きな要因と思われます。

「日本人の食生活は豊かになったのにどうして病気は減らないのか?」

「日本人の体格は立派になったのにどうしてアレルギー性の病気が増えているのか?」

「カルシウムが豊富な牛乳を飲んでいるのに、骨折をする子供が多いのはなぜか?」

 こうした疑問を解き明かす答えが「食べ物の変化」なのです。

「顔が見える食品」食べてますか?

 私たちがよく利用するコンビニエンスストアには、約2000~3000種類の商品が置かれているそうです。このうち、原形の見える食品(顔が見える食品)はどのくらいあるでしょうか?ポテトチップやオレンジジュースはあっても、その原料であるじゃがいもやオレンジなどは少ないですね。

 実はこうした加工食品には大切な条件があります。それは「大量生産出来る事」「長期輸送に耐え、長期保存がきく事」です。

 もともと食べ物にはビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれていますが、これらの栄養素は湿気や酸素を好みます。そして、虫やカビ、細菌にとっても、大切な栄養素なんですね。(人間にとっても、こうした生き物にとっても、大切なものは一緒ですよね)ということは、加工食品を作るうえでは、とても厄介なものとなってしまいますから、こうした栄養素は取り除かれてしまうことになります。

 私たちは知らず知らずのうちに、こうした「不自然な栄養体系」を摂取している、ということですね。

微量栄養素

 ビタミンやミネラル、食物繊維などは、身体の中で様々な働きをしてくれる大切な栄養素です。それが加工の段階で取り除かれてしまっているとしたら、身体そのものがバランスを崩してしまうのは当たり前ですね。

 また、主食の白米や小麦粉、そして精製塩の普及。こうしたことも微量栄養素の不足に大きく関係しています。

 玄米からヌカをとったものが白米、小麦から表皮(ふすま)をとったものが小麦粉、天然の海水塩から苦汁(にがり)をとったものが精製塩です。こうして食べやすいように取り除かれてしまう部分に、豊富な栄養成分が含まれています。私たちはわざわざ手間をかけて栄養を取り除いてから、残った部分を食べているんですね。ですから、米偏に白いと書いて「粕(かす)」と読むのではないでしょうか?

 沖縄ではこんな言葉が伝わっているそうです。

「黒い砂糖は命を伸ばし、白い砂糖は命を縮める」

手を加え過ぎた食品は、かえって害になるという教えなのかもしれません。

バランスの良い食事とは?

 食べ物が精製されるということは、そのもの本来の一部しか食べていない、ということです。

 昔から氷の上で生活しているエスキモ―は、基本的には穀類や野菜を食べませんが、主食である動物は内臓まできれいに食べますし、南米メキシコのインディオは、ほとんどトウモロコシだけを食べて生活していますが、乾燥させてむしりとり、胚芽の部分まできれいに食べます。また、アイヌの文化でも、シャケを主食にしていた頃は内臓まですべて食べていたそうです。

 共通するのは「まるごと食べる」ということ。本当にバランスの良い食事とは、「加工して美味しい部分だけを食べる」ということではなく、日本人がもともともっていた「もったいない」という精神に基づいた「丸ごといただく食事」である、と思います。

参考文献 幕内秀夫 著 「体によい食事 ダメな食事」(三笠書房)

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