head_id

【vol.22】こころとからだの健康タイム|ゲスト 矢山 利彦 さん


 佐賀県のY・H・C・矢山クリニックには、全国からたくさんの方が訪ねて来ます。
 西洋医学的なアプローチの他、漢方薬や鍼灸、食養生、気功、ホメオパシーやフラワーエッセンスなど、様々な角度からのアプローチと治療実績が、口コミで広がり、噂を聞いた人達が治療や視察、見学などで日本各地から集まって来るのです。
 今回は、Y・H・C・矢山クリニック院長の矢山利彦先生に「これからの医療のあり方と健康のコツ」をお伺いしました。

鳴海周平(以下 鳴海) 今日、矢山先生のクリニックに初めてお伺いしましたが、とても気持ちが安らぐ空間ですね。まるで森の中にあるペンションのような感じを受けます。特に待合室は1人掛けの肘付き椅子が、大きなガラス窓越しに見える公園の緑に向いていて、リラックス出来ますね。

矢山利彦先生(以下 矢山) 病院に来られる方というのは、たいてい何かのストレスを抱えている場合が多いと思います。だから病院は本来「癒しの場」であるべきなんですね。このクリニックは、そうした「癒しの空間」を演出する工夫が各所に施されているんです。
 例えば今鳴海さんが仰った、待合室の椅子がすべて1人掛けになっていて外の景色を楽しめるようになっている事もそうですし、薄暗い空間に水晶のオブジェが光っているドーム状の瞑想室を設置したのも、待っている時間にリラックスしてもらいたいからです。

鳴海 2階にある入院用の部屋19室が、全てトイレ付きの個室になっていることも驚きました。しかも木で作ったドアに、壁は珪藻土(けいそうど)。本当に凄いこだわりですね。

矢山 ですから入院された皆さんは「自分の家よりリラックス出来て、良く眠れる」と言うんですね(笑)。他にもフリークライミングが出来る場所や、ナノバブルの足浴が出来る場所もあります。ここにいるだけで元気になれる、という空間を理想として設計したんです。

鳴海 まさに理想の「癒しの空間」だと思います。ところで、矢山先生が医師になろうと思ったのはいつ頃からなのでしょうか?何かきっかけがあったのですか?

矢山 私の父が自動車の技術者をしていましてね。祖父が若いうちに病死しているので「医療は大事だ。お前は大きくなったら医者になれ。」と言われて育ったんです。父から勧められたこともあって、九州大学の医学部に進みました。医師になってからは、なるべくたくさんの経験を積みたかったので、福岡の徳洲会病院に研修医として入りました。私はもともと西洋医学を学んでいましたので、ここではそういったアプローチで患者さんと接してきました。
 西洋医学は、人体をパーツごとに分けて考えて治療をしていきますが、そのうちにいろいろと矛盾に感じる事が出てきたんです。ここでは特にムチ打ち症の患者さんを多く診察したのですが、首に受けた衝撃は目や鼻、心臓や胃腸、自律神経にも影響を与えます。ところが、症状の出ている箇所にアプローチしても全然歯が立たない。画期的な治療法がないんです。西洋医学ではこうした症状を『不定愁訴』と言いますが、当時この『不定愁訴』に効果があるらしい、と言われていたのが漢方薬だったんです。そこで漢方の勉強を始めたんですが、驚いた事に西洋医学で『不定愁訴』とされている症状が、東洋医学では『定愁訴』として説明されていたんですね。そして実際ムチ打ち症の患者さんに漢方薬を処方すると劇的に効果があったんです。そのうちムチ打ち症の患者さんが来ると「矢山君のところに行きなさい。」と言われるようになってしまいました(笑)。ただ、中には難治性のムチ打ち症の患者さんもいて、漢方だけでは対応出来ない事も出てきたんです。そこで同じ東洋医学である鍼でのアプローチをしてみたら、これもまた凄い効果がありました。漢方と鍼という2つの方法で随分と効果が上がりました。

鳴海 西洋医学が身体をパーツごとに考えるのに対して、東洋医学では身体全体をひとつの生命体として捉えますよね。「人間も自然の一部であって、人体は小宇宙そのものである」とも言います。身体全体にアプローチする東洋医学というのは、とても自然な感じがしますね。それにしても、漢方と鍼がそんなに劇的に効く、というのは多くの患者さんにとっても朗報でしたね。
矢山 そうですね。ただ、その後噂を聞いて様々な症状の人が訪ねて来るようになったのですが、中には漢方と鍼だけでは治らないような難病の患者さんもいました。
 漢方も鍼も学んでいくと「気」という言葉がよく出てきます。東洋医学の行き着くところはどうやらこの「気」らしい、と思うようになりました。この「気」というものをもっと勉強出来たら難病の患者さんにも喜んでもらえるかもしれない、と思い今度は「気」について学び始めたんです。
 私は大学時代から空手をやっていましたから、武術を通して「気」というのは実感としてわかっていました。ですから、ちょうどその頃大阪で中国人の気功師が開催していた「気」の講座にも抵抗なく参加したんです。後は図書館や古本屋で「気」に関する文献を片っ端から読んでいきました。そして自分なりに「気」を使った治療も併せて実践することになったんです。
鳴海 「気」の達人でもある矢山先生が書かれた「気の人間学」という本は現在32刷というロングセラーを続けていますね。肉眼ではわかりづらいけれども「気」の存在は確かに実感出来ると思います。「気」は生命エネルギーというふうに考えるとわかりやすいでしょうか?

矢山 先ず「人間の本質はエネルギーのボディである」ということです。鍼灸では経絡(けいらく)という考え方を大切にしますが、これは「気の通り道」つまり「エネルギーとしてのボディの解剖図」なんです。そして要所要所にツボと呼ばれる箇所がある。このエネルギーとしてのボディに鍼でアプローチすると鍼治療、生薬でアプローチすると漢方、自分でやろうとするのが「呼吸法」や「気功」ということになります。「気」は東洋医学の設計図のようなものですから「気」がわかると鍼や漢方の本当の凄さがわかります。

鳴海 漢方に鍼、そして「気」を治療に取り入れる事で「矢山式治療法」が確立していったんですね。こうして考えると、身体をパーツごとに考える西洋医学に比べて、東洋医学というのは見えないエネルギー体までも視野に入れた一種の「複雑系」のようにも感じられます。これは病気の原因がひとつではない、という事でもあるのでしょう。

矢山 病気の原因は「単独」の場合と「複数」の場合があります。例えば結核のような病気には西洋医学の抗生物質がよく効きます。しかしガンや糖尿病などは「複数」の原因が絡んでいるので、西洋医学的な単独アプローチではなかなか治りにくいんです。これで治る、という特効薬がないんですね。原因が複数なのだから複数のアプローチが必要である、と思います。

鳴海 なかなか治りづらい病気の原因というのはどういったものでしょうか?

矢山 私は5つの原因があると思っています。ひとつは金属汚染です。歯に詰めた金属や飲料水に含まれている金属ですね。2つめは電磁波です。携帯電話や電子レンジなどの機器から発する電磁波は、良い影響を及ぼしません。3つめはウィルスや細菌、カビ、寄生虫などの潜在感染。4つめに化学物質による汚染。5つめが精神的なストレスです。このうち金属汚染と電磁波、化学物質については通常の検査ではわかりづらいので、表面的な問題にはなっていませんが、私は大きな要因だと思っています。ですから、ここでは歯科クリニックも併設していて、歯に詰めてある金属への対処や、噛み合わせもチェックしています。こうした5つの原因を探って、それに合ったアプローチをすることで様々な症状が、原因から改善されていくんです。

鳴海 広い意味での環境汚染の影響が体内にまで及んでいる、ということなんですね。携帯電話やコンピュータがこれだけ普及して、あちこちに高圧電流が流れていると、電磁波の影響も大きいと思います。化学物質にいたっては、食べ物にまで添加されているような状態です。身体の根本である「食」ということにも気を配る必要がありますね。

矢山 化学物質が食べ物に及ぼす影響は大きいと思います。ただ見た目ではなかなかわからないので、私は「呼吸メジャー」という判別方法をお知らせしています。これは、ある対象が自分の身体に適しているかどうかを見分ける研究をしていて明らかになったのですが、調べたいものを手に持ってゆっくり呼吸をすると、適している場合は呼吸が深いところまで楽にスーっと入っていくのがわかります。逆に適していない場合は、呼吸が詰まった感じがして胸のあたりで止まってしまうんです。鼻から長さを計るメジャーがお臍の下あたりまで伸びていて、そのメジャーのどのあたりまで呼吸が楽に吸い込めるかをテストする方法が「呼吸メジャー」です。
 呼吸という機能が脳の生命中枢でコントロールされていることを考えると、生存本能を司る生命中枢が適か不適かを判断して、呼吸にその結果が現れてくることが納得出来ます。
 この方法で、なるべく深い呼吸が出来る食べ物、つまり環境汚染物質の少ない食べ物をとるようにしてほしいと思います。

鳴海 「呼吸メジャー」は誰でもすぐに実践出来る画期的な方法だと思います。それにしても、鼻からメジャーが伸びている、という発想は面白いですね。

矢山 メジャーで計る時は、呼吸を誘導するように片方の手も一緒に下げてあげると、よりイメージしやすいでしょう。

鳴海 最後に、矢山先生がこれから目指す医療について教えていただけますか?

矢山 私はいつも「病気の人は普通に、普通の人は健康に、健康な人は気の達人に」と言っているんです。いっぺんに駆け上がるんじゃなくて、とりあえずは今よりひとつ上を目指してほしいんですね。そしていずれは気の達人になってほしい。気の達人というのは、人間の本質である「エネルギーとしてのボディ」を養い、高めていくためにはどうしたら良いかということを学んで、食の指導までも出来る人です。こうした人が一家にひとりいたら、心強いですよ。究極の病院の姿は「病気にならないよう指導する施設」だと思います。私はこれから、そういったことを誰もが学べる場を提供していきたいと思っているんです。

鳴海 病院の究極の姿は「病気にならないよう指導する施設」というのは素晴らしいですね。矢山先生の志の高さから、たくさんの元気をいただきました。今日はどうもありがとうございました。

矢山 利彦・プロフィール

Y・H・C・矢山クリニック院長
1980年、九州大学医学部卒。福岡徳州会病院にて救急医療を中心に研修、同時に、福岡医師漢方研究会にて東洋医学を学びはじめる。
1983年より九州大学医学部第二外科、入局。同大学院博士課程にて免疫学を専攻。
1987年より佐賀県立病院好生館、外科院長、東洋医学診療部長。
2001年、Y・H・C・矢山クリニックを開設。
〈気〉の理論と実際を伝えるユニークな〈気〉の研究家。小周天の循環方向の男女差や、〈気〉によるチャクラオープン法を見つける。難治の患者を中心にこれらの気功法を指導して高い評価を受けている。空手道五段でもある。
おもな著書に『気でひきだせ、無限の治癒力』(太郎次郎社)『気の人間学』『続・気の人間学』(以上、ビジネス社)がある。

right_toppage

right_01健康対談ラジオ番組月刊連載

right_02 right_news right_02-2 right_03 right_04 right_06 right_05 right_07 right_07

bnr_npure

bnr_kenkotime