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【vol.27】こころとからだの健康タイム|ゲスト ロッキー田中 さん


 「誰も見たことがないときめきの富士」を撮り続け、浮世絵のように美しいその作品から「現代の北斎」とも称されるロッキー田中さん。作品を世に発表し続けるエネルギーの源と、富士山の魅力についてお話を伺いました。

鳴海周平(以下 鳴海) ロッキーさんのサロンにお伺いすると、心身ともに癒されますね。素晴らしい作品の数々に、いつも感動を頂いています。

ロッキー田中さん(以下 ロッキー)ありがとうございます。日本人は皆、富士山が大好きですね。私もきっかけは、30代半ばに、たまたま富士山を訪れたことでした。それまでにも富士山は美しい山だ、という認識はあったのですが、あの時は「うわー、富士山ってこんなにキレイなんだ!!」って、改めて感激したんです。それから毎週通って写真を撮り始めました。

鳴海 毎週ですか?それは凄い「行動力」と「持続力」ですね。富士山の写真を撮っている方は、他にもいらっしゃったんですか?

ロッキー はい、たくさんいましたね。「凄い写真だな」と何度も感心させられました。でも殆どが山を大きく写して雲をからませた写真なんです。私が撮りたいのは山岳写真ではなくて、もっと情感のある“ときめきの富士”なんです。そこで思いついたのが「自分の感性視野を広げる」ということです。日本画や浮世絵を観たり、音楽に浸ったり、本を読んだりすることで、こうした視野が広がっていくんじゃないか、と思いました。実際、こうしたことをするようになってから、今まで凄いと思っていた周りの人たちの写真が、あまり凄いと思えなくなってきたんです。「競争して撮る」のではなく、自分が今まで蓄積してきたものの観方や考え方を富士山に投影させて、目の前にある光景を受け止めればいいんだ、ということに気付いたんです。そうしたら気持ちがスーッと楽になりました。

鳴海 確かに、何かを見て美しいと感じる心は、競争とは無縁ですね。人それぞれ感性が異なっているのは、ロッキーさんが仰るように「自分が今まで蓄積してきたものの観方や考え方を投影させて」感じているからなのかもしれません。
 ロッキーさんがこうした気付きを得て、本格的に写真を撮り始めた頃のお話を聴かせて頂けますか?

ロッキー 40代半ばの頃「このままでいいのかな?自分の好きなこと、本当にやりたかったことって何だろう?」という心の声が聞こえたんです。その頃、じっくりと考えて、会社を退職することにしました。業界でも大手でしたから、収入も安定しているし、友人・知人には、僕のように「心の声が聞こえたから」なんて理由で辞めることが理解出来なかったんでしょう(笑)。
 でも、豊かな環境を一度捨ててから挑戦することでなければ、世に認めて貰える様なことは出来ない、と思ったんです。
鳴海 男のロマンですね。

ロッキー 女のガマンとも言います(笑)。
 最初はご縁のあった社長さんたちの写真を撮らせて頂く事から始めました。中小企業の社長さんが多かったのですが、皆仕事熱心なので「自分の写真なんて撮ったことがない」という方ばかりなんですね。そこで、格好いいポーズで決めてもらって、写真を撮って差し上げるわけです。最初は照れてるんですが、だんだんとモデルのように素敵な笑顔になっていきます。そこで最高の写真が撮れるんですよ。その写真を使って、今度はその方の名刺を作って差し上げます。その名刺を配って歩くと評判がいいので、名刺の注文が入ります。また、その名刺を見た別の社長さんからも注文が入ります。こうして、あっという間に、1000名の社長さんから、注文を頂けるようになりました。

鳴海 名刺は消耗品ですから、なくなるとまた注文が入りますね。きっと写真を撮って頂いた社長さんたちも、大満足していたからこそ、あちらこちらで名刺を配って歩いたのでしょう。ロッキーさんの営業も兼ねて(笑)。
ロッキー 本当にありがたいことですよね。ただ、私はカメラマンになろうと思って独立したわけではないんです。写真を撮る、という行為には興味がなくて、生み出す作品にのみ興味があるんです。「カメラマン」というより「作家」と言った方がいいかもしれません。だからいずれは、東京に作品を展示出来る事務所を持ちたいと思っていました。それも人が出入りしやすい1階に。でも、当時の僕では東京で1階に事務所を持つなんて夢物語の世界ですよ。それでも、いつも心のどこかでその事を考えていました。そうしたら、ある朝早くに通りかかった道でお爺さんが掃除をしていたんです。そのお爺さんが、亡くなった私の親父そっくり。それで「おはようございます。早くからお疲れ様です。」って声をかけたんです。その次にそこを通りかかった時も早朝だったんですが、またあのお爺さんが掃除をしていました。また声をかけて、今度は少し話をしてみたんです。そこで何となく「東京で1階に事務所を借りたいんですよね。」と言ってみたら「ここで良かったら、もうすぐ空きますよ。」って言うんですね。何とそのお爺さんは、目の前にあった9階建てのビルのオーナーだったんです。
 私が借りたい事務所の条件として「1階であること」「作品を展示するため天井が高いこと」「値段が安いこと」という3つがあったのですが、このビルの1階は車庫として使っていましたから、当然1階だし、天井が高いし、値段も安いわけです(笑)。もう即決でした。

鳴海 素晴らしいご縁があったんですね。ロッキーさんにとっても好条件だし、ビルのオーナーとしても、空き室にならずにすんだわけですから。しかも「富士山の写真」という素晴らしい波動を、常に発している方に住んで貰えるというのは、オーナーさんとしても嬉しいことだと思います。

ロッキー 実はこのビル、バブル崩壊後にガラガラになってしまって、困ったオーナーさんがある方に相談に行ったそうなんです。そうしたら「原点に戻って、ビルの周辺を掃除してまわりなさい。」とアドバイスされたらしいんですね。そこで毎日一生懸命掃除をしている時に、私が通りかかったわけです。その後、私が入居してから2ヶ月も経たないうちに、このビルは満室になってしまいました。以降、ずっと空き室がありません。皆さん「富士山のパワーだね」と仰ってくださいますが、確かに、このビルの前の街路樹だけ、他の場所と大きさがまったく違うんです。雑草まで青々と茂っています(笑)。

鳴海 富士山は昔から「霊峰・富士」と呼ばれてきました。昔の人たちは、富士山に何か特別な力を感じていたのかもしれませんね。富士山の見える場所に住んでいる人は、健康で長命な方が多い、ということもよく言われています。ロッキーさんのサロンにいると、心身共に癒されていく感じがするのも、きっと富士山の「気」が作用しているのでしょうね。

ロッキー このサロンには毎日いろんな方がフラッとおいでになって寛いでいかれます。富士山に囲まれているだけで、とても心身が癒されるみたいですね。都会に出来た異空間、大江戸富士山名所と呼ばれています。
 ワイングラスにワインを注いで、グラス越しに富士山の写真を見ます。すると、不思議なことにワインの味がまろやかになるんですよ。富士山には、間違いなくこうしたエネルギーがあると思いますね。

鳴海 私は毎朝グラス越しに富士山の写真を見ながら、水を1杯飲んでいます。身体の中を富士山のエネルギーが、スーッと流れていく感覚がありますね。
 ところで、ロッキーさんは、ヨーロッパの三大新聞のひとつから「現代の北斎」という評価を得ていらっしゃいますが、それは浮世絵から写真のヒントを得たこととも関係があるのでしょうか?

ロッキー 私の写真に大きな影響を与えたのは「広重」と「北斎」の浮世絵の富士山です。多くの人は富士山を「大きく、克明に」撮ろうとするわけですが、浮世絵の世界というのは「自分の視界に入った全景を受け入れる」ということです。その視界にある人々の暮らしや山並み、そして遥か向こうにそれらを見守る様に富士山がある、というふうに。そこに暮らしている人々の息遣いまでもが聞こえてきそうな、あるいは富士山に抱かれている優しさが伝わってくるような作品を撮りたい、そう想ったら、それは浮世絵の世界だった、というわけです。

鳴海 ロッキーさんは「生涯で99の作品を世の中に出したい」と仰っていますね。この「99」という数字には、ロッキーさんのどのような想いが込められているのでしょうか?

ロッキー 区切りが良くて、完成された数字を100だとすると、この100作品目というのは、常に明日の作品にしておきたいんです。常にこの完成された数字を目指したいという想いは、大自然の象徴である富士山に対する畏敬の念の現れでもあります。
 私のスタンスは、山の麓には住まずに、100キロも離れた東京に住みながら、富士山を撮りに出かけるわけですね。富士山から離れているから常に360度の視点から富士山をイメージ出来るし、いざという時に瞬発的な集中力で撮影に臨めます。99の作品イメージは、既に私の中にありますから、後は東京で、季節の変わり目、天気の具合を見ながら、いつ、どの時間に、どの場所でこのイメージに出会えるのか、ということに集中すれば良いことになります。このタイミングを、東京に居ながら、じっくり考えるんです。つまり、富士山が呼んでくれないと行けないわけですね。だから、99の作品というのは、生涯で撮れてもいいし、撮れなくてもいいんです。私は常に「明日の1枚に会いに行く」という想いだけで撮り続けています。
 99という数字には、そういう想いが込められています。
鳴海 99の作品イメージは、既にロッキーさんの中にあるんですね。
「富士山が呼んでくれなくては撮れないから、99の作品は撮れても撮れなくてもいい」というお言葉に、自然に対するロッキーさんの想いを感じますね。
 最後になりますが、ロッキーさんの健康のコツを教えて頂けますか?

ロッキー それは、何と言っても「富士山」でしょう(笑)。富士山に出かけては富士山の最高の姿を見ることが出来ますし、見えない時は心にイメージするだけでも勇気が湧いてきます。それは皆さんにもおすすめします。そして私はさらに、作品をお求め下さった方に「感謝無限大」という言葉を書いて差し上げるようにしています。言葉にはパワーがありますからね、プラスの言葉を添えて、作品をお届けすることで、その作品にご縁があった方に大いなる恵みがあることを確信しているんです。こうしたプラスの言葉、プラスの想いを意識して使っていることも、私の健康に大いに影響していると思います。内緒ですけど、夜中に走る時や、夜明けまで待機する時は『蜂っ子』を2錠飲んで寝不足を回避して体力維持しています。私が元気に富士山のエネルギーを受けとめて、作品にして皆さんにお届けするのが天職ですから。私の作品が、何らかの形で、ご縁のあった皆さんの喜び、幸福につながってくれたら、こんなに嬉しいことはありませんね。

鳴海 富士山の癒しのパワーと、ロッキーさんのプラスの言葉から、私もたくさんの元気を頂きました。今日は本当にどうもありがとうございました。

ロッキー田中・プロフィール

9月6日、福井県生まれ。東京都品川区に「ときめきの富士アートサロン」を開設。心豊かな人々が集う現代富士山名所となっている。富士山の呼ぶ声を聞き、誰も見た事のない「ときめきの富士」を生涯に99枚世に出し歴史に残す事に夢を託す富士山の写真家。
幻想、叙情に溢れた独特の情景描写は「プレジデント」「フォーブス」「致知」「日本の美 富士」に特集され、現代に蘇った北斎と言われている。
作品「天空に舞う」で文部科学大臣賞
NPO富士山を世界遺産にする国民会議フェロー
ホームページ http://www.rocky-fuji.com

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