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【vol.34】こころとからだの健康タイム|ゲスト 辻 和之 さん


 私どもが平成12年から健康食品「蜂っ子」をご紹介させていただくにあたって、臨床や理論など様々な面で御協力を頂いた花月クリニック院長の辻和之医学博士。漢方や鍼灸といった東洋医学や理学療法などを取り入れた治療による高い効果が評判となり、毎日全国からたくさんの方が訪れています。
 本誌連載コーナーでもお馴染みの辻和之先生に「健康のコツ」をお伺いしました。

鳴海周平(以下 鳴海) 辻先生には「蜂っ子」の臨床や理論面でのアドバイスなど、たいへんお世話になりました。また本誌の連載でも御協力をいただき、ありがとうございます。
 辻先生とは同郷ということもあって、本当にいろいろとお世話になっています。

辻和之先生(以下 辻) 鳴海さんとは海岸沿いの隣町ですから何かと共通の話題も多いですよね。ただ私は父の仕事の関係で小学校は福島県、中学校は東京の国立にいたので、北海道に来たのは中学3年の時からです。祖父が亡くなったので、父が薬局を継ぐために戻ってきました。たまたま実家が薬局で、高校の時は、化学が楽しく勉強できましたので、化学と関連の深い薬学部を受験しました。

薬学部から医学部へ

辻 千葉大学の薬学部の2年になった頃から、病気を詳しく知らずに薬を創ることに抵抗感が芽生え始め、化学中心の薬学部から、病気についてもっと詳しく勉強できる医学部進学を決断しました。

鳴海 薬学部と医学部の両方をご卒業されているんですね。片方だけでもたいへんな苦労をして皆さん進学されると思うのですが、いったいどんな勉強の仕方をされていたんですか?

辻 頭で、というよりも気魄でしょうね。(笑)
 人生は一度きり。人間の一生は宇宙の広大な時間の流れから見ると、マッチの炎のような一瞬の時間に過ぎないんだ、といつしか考えるようになって、それならば後悔のない一生を送りたい、と思ったんです。そして自分にとって本当に生き甲斐を感じることが出来るものを目指そうと考えました。
 その結果難関と思われた国立の医学部に進学することが出来たんですから、気魄の力というのはやはり凄いものだと思いますよ。
 あとは「いかに興味を持って勉強するか」ということ。しかも楽しく勉強できたら、これ以上効率的な勉強方法はありませんね。

鳴海 確かに「興味を持って楽しく勉強する」と、時間が経つのも忘れてしまいますよね。目指しているものや必要とされているものを学ぶ時に、こうした気持ちになるきっかけを見つけることも大切なのでしょう。
 先生は音楽鑑賞やワインなど、幅広いご趣味をお持ちで、しかもどの分野においてもプロ級の知識をお持ちです。こうした幅広い知識も、こうした勉強法で身につけてこられたのでしょうね。

辻 趣味に関しては最初から興味があって楽しいものばかりですからね。(笑)面白いな、と思って楽しんでいるうちに自然に覚えてしまったという感じです。
 音楽は主にジャズとクラシックが好きですね。子供の頃はステレオがありませんでしたから、音楽に飢えていたんでしょう。中学の時にラジオからベンチャーズのパイプラインという曲が流れてきた時には、もうあまりの感動にその場から動けずにいました。音楽は心身の健康にも良いので、最近は「音楽療法」という分野もずいぶんと注目されています。
 錦鯉の鑑賞も好きで、自宅で飼育もしています。子供の頃に見た黒地に金兜の頭と金色の鰭を持った鯉や、銀色に輝くプラチナという鯉を見てとても感動したのがきっかけです。まさに鯉に恋してしまったんですね。(笑)今は五色という錦鯉が気に入っています。

鳴海 「恋の病は医者でも治せぬ」と言いますからね。(笑)先生の博識ぶりにはいつも本当に驚かされます。

東洋医学を取り入れた
「花月クリニック」の開設

鳴海 辻先生のクリニックは、北海道ではここだけという漢方生薬煎じ機や小分け包装機などを導入されたり、鍼灸や理学療法なども積極的に取り入れたり、とその幅広い治療法と効果が評判となり、全国からたくさんの方が訪れていますね。
 こうした幅広い治療体系は、患者さんにとっても今の医学界にとっても、たいへん重要なことだと思います。
 先生がこうした幅広い治療体系を整えていくことになったきっかけを教えていただけますか?

辻 母校である旭川医科大学の大学病院で3年勤務した後、深川市の第一病院に副院長として7年間勤務しました。その後北広島市の西の里恵仁会病院で1年間副院長を勤め、平成5年に新十津川町立診療所長としてご縁をいただきました。その間西洋医学では治らない病気が東洋医学で治ってしまうという事実に何度も出会い、漢方や鍼灸といった東洋医学に興味を持つようになったんです。
 東洋医学は病気のみを診るのではなく全身を診て体質の乱れを調節し、本人が持っている自然治癒力をアップさせて治していくというとても奥の深いものです。漢方薬もエキス製剤だけでは満足のいく結果が出せないこともあったため、思いきって煎じ薬を調合するための機械を導入しました。北海道では未だにここだけという機械ですから値段も相当高かったのですが効果は抜群で、椎間板ヘルニアで整形外科から手術を勧められているという女性がお見えになった時も、エキス製剤だけでは効果がありませんでしたが、煎じ薬を処方した途端に良くなり走って犬の散歩が出来るようになりました。東洋医学の凄さを改めて感じましたね。
 その後だんだんとスペースも手狭になってきたので、町から買い受ける形で平成11年に「花月クリニック」を開設しました。今では鍼灸や理学療法などの設備も整いましたので、より多くの方に喜んで頂けるようになりました。

鳴海 たくさんの方から喜んで頂けるのは嬉しいことですね。
 先生のクリニックは治療の設備もさることながら、スタッフの方の対応がとても親切で優しい。きっと患者さんにもとても評判が良いでしょうね。

辻 「自分の立場で患者さんを見ないで、患者さんの立場で考えて行動すること」そして「心を癒す優しさで接すること」という点を特に心がけています。
 そして私自身も、患者さんを通して学ばせて頂くことがたくさんありますので「患者さんが私の先生なんだ」という感謝の気持ちを常に持っています。

長寿と健康のコツ

辻 漢方治療の範囲というのはとても広くて、本当にいろいろな領域の患者さんが来院されます。最近は腰や膝などの整形外科疾患、アトピー性皮膚炎の患者さんが特に多いですね。東洋医学は、病名ではなく症状を聞いたうえで体質や生活習慣などを考慮して、その方に合った漢方薬を煎じて処方しますから効果の実感が早いのだと思います。糖尿病の相談も多いですね。糖尿病の方には内臓脂肪を減らしながら生活習慣も含めたアドバイスをしていますので、とても喜んで頂いています。
鳴海 個人の体質や生活習慣まで網羅して行なう治療方法は「人間は自然界の一部である」という東洋医学の考え方そのものですね。
 東洋では、太陽と月、男と女、プラスとマイナスといった相反するもの(陰陽)と、木火土金水(五行)という要素でこの世の中は成り立っているという「陰陽五行」という考え方がありますが、東洋医学でもこうした考え方は用いられているのでしょうか?

辻 人間は自然界の一部ですから「陰陽五行説」はそのまま人間の身体にも当てはまります。体質も食べ物も陰性と陽性に分かれますし、内臓を表す五臓はそのまま五行に当てはまるんです。(図㈰参照)
 病気は、気・血・津液の不足や巡りの悪さで発症しますが、その要因には、五臓の心、肝、脾、肺、腎の病態が絡み合い、さらに外邪(外的な要因)との関係では、正気が不足している状態になった時に外邪に負けて病気になります。治癒に必要な要素は、気・血・津液が過不足なくあること、そして巡りが順調に行なわれていることです。不足しているものを補い、余分なものを瀉す。巡りの悪い場合は、巡りを改善させる。そのためにはその生成や巡りに関与するそれぞれの五臓の状態を健全にさせる必要があります。それらを治療する手段として漢方薬や鍼灸などがあるわけです。自然界と人間の身体を相似性として捉えた先人達の感性と智恵の深さには本当に驚かされますね。

鳴海 東洋医学というのは本当に奥が深いですね。
 長い歴史の中で先人達が追い求めてきた理想の医学、そして理想の生き方を、私たちもこうして受け継いでいることが実感として沸いてきます。

辻 理想の医学、理想の生き方を追い求めてきた長い歴史の中でわかっている健康のコツがいくつかあります。
 一つは「食べ過ぎないこと」つまり「腹八分目」です。これは江戸時代に「養生訓」を著した貝原益軒さんもおっしゃっていますね。
 二つめは「適度な運動をすること」。激しい運動ではなく、歩いたり、日常的な家事をまめにこなしたりといった程度でも充分です。
 どちらも生活習慣そのものですよね。「過食」と「運動不足」がすべての病気の基になると言っても過言ではないでしょう。
 それに「新しいことに常にチャレンジする気持ちを持つこと」も、若々しさを保つ秘訣ではないでしょうか。97歳になった今でも診療をし、講演会などで全国を飛び回っている聖路加病院・名誉院長の日野原重明先生もそうおっしゃっています。日野原先生が言うと説得力がありますよね。(笑)

鳴海 過食を慎み、なるべく身体を動かす。そして新しいことにチャレンジしてみることで、いつまでも若々しく元気でいたいものですね。
 今日もとても良い勉強をさせて頂きました。貴重なお話を頂きどうもありがとうございました。

辻 和之・プロフィール

医療法人和漢全人会花月クリニック
日本東洋医学会専門医

昭和26年 北海道江差町に生まれる
昭和50年 千葉大学薬学部卒業
昭和57年 旭川医科大学卒業
平成4年 医学博士取得
平成10年 新十津川で医療法人和漢全人会花月クリニック開設
日本東洋医学会 専門医
日本糖尿病学会 専門医
日本内科学会  認定医
日本内視鏡学会 認定医

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