Vol.218 6月 こころが温かくなる方法
他人(ひと)にやさしく、自分には…
「他人(ひと)にやさしく、自分には、もっとやさしく」
僕の大好きな言葉です。
自分にやさしくすると、なぜか、他人にもやさしくなれるような氣がします。
だから、他人にいつもやさしくあるために、もう、過保護なくらいに自分を常に甘やかすことを日々こころがけているのですが(笑)先日、このような考えを科学的に立証してくれる『手の治癒力』という素敵な本に出会いました。
「米国の行動経済学者ローレンス・ウィリアムズとジョン・バーグは、実験参加者を実験室に連れて行くエレベーターの中で、温かい、あるいは冷たいコーヒーを持っていてくれと依頼する。
実験室に到着後、参加者にはある架空の人物の特徴が書かれているリストを読ませ、その人の印象について評定してもらった。すると、手に温かいコーヒーをもった人は、その人物の人格を「親切・寛容」だと判断した。
さらに実験のお礼として「友人へのギフト」と「自分用の品」のどちらかを選んでもらうと、手を温めた人は前者を選ぶことが多かったという。
その後の実験では、皮膚を温めると人との対人距離が近くなること、人を信頼しやすくなることなどもわかっている。
この実験では手の温度を操作したわけだが、手でなくてはいけないわけではなく、どの身体部分であっても同じ結果になるという。
つまりは、全身のどの部位でも皮膚を温めると人に温かくなることがわかる」
「皮膚を温めると、人にも温かくなれる」ってスゴい発見ですよね。
それで、なぜこんなふうになるのか、ということも書かれていたんです。
「その理由は、大脳の島皮質(とうひしつ)という部分が、身体的な温かさと心の温かさの両方に関与していることにある。
つまり、身体的な温かさを感じると島皮質が興奮する。
この部位は心理的な温かさに興奮する部位でもあるため、他者に対しても温かい氣持ちが高まるということになる」
この本を読んで、今まで貫き通してきた「自分には、過保護なほどにやさしく」という信念がまた一段と強化されたわけであります(笑)
だから、「なんか最近、こころがギスギスしてるなー」って思ったときとか、「ついついイライラしてしまう…」って反省したときとか、「もうっ!のどが渇いてる、って言ってるでしょ!!」って怒ってるときなんかは、「温かい飲みものを飲んだらいい」のです。
とくに、最後の人なんかはすぐに効果があらわれるでしょう(笑)
昨今のコロナ事情などで、引きこもりがちな今日この頃。
「温かい飲みもの」をゆっくりと味わって飲むことで、自分にも、他人にもやさしくなれますよ。
参考
『手の治癒力』(草思社文庫)山口創・著
アメブロ 鳴海周平の「こころとからだの健幸タイム」