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Vol.214 2月 風邪の効用



風邪の効用

なぜ、風邪をひくのでしょう?

 この時期に街を歩いていると、マスクをしている人を多く見かけます。
 以前、綾小路きみまろさんが、「奥さん、マスク似合うねー。ちょっと取ってみて。…やっぱり、ずっとしてた方がいいみたい」とか、「何でマスクしてるの?自分だけ生き残ろうとしてんの?」とか言っていましたが、マスクをしている人の中には「風邪予防」を目的としている人もいるでしょう…というか、そっちの方がメインでしょう(笑)
 ところで、風邪ってどうしてひくんでしょう?
 そんな疑問から、古今東西さまざまに伝わる「風邪に関わる諸説」を調べた結果、とても腑に落ちたのが、整体協会創始者である野口晴哉さんの「風邪の効用」というお話。
 野口さんは、職業柄、毎日さまざまな人のからだを「整体」する中で、「からだは、偏って疲労することがある」ということに氣づいたのだそうです。
 職業や生活習慣など、その人の「からだの使い方」によって、どこかに「偏って」疲労が溜まる。その「偏り疲労」がひどくなると、からだはさまざまなサインを出しますが、そのサインを無視して無理し続けると、大きな病につながってしまう…。「整体」は、その「偏り疲労」を整える健康法でもあるわけです。
 ところが、なぜか整体を受ける前に、「偏り疲労」が整ってしまっている人がいることに氣づきました。
「この人、最近ちょっと疲れ氣味だな。偏り疲労が溜まり氣味かな」と思う人が、次の来院時には、なぜか元氣になっている!さらに、からだのバランスまで、きれいに整っている!!
「なんでだろう?」と不思議に思った野口さんは、そういった人たちに共通していたある特徴に氣づきます。
 それは、「風邪をひいていた」ということ。
「しばらくお顔を見ていませんでしたが、どうされていたんですか?」と訊いて、「じつは風邪で数日寝込んでいたんです」と返答する人のからだから、「偏り疲労」が、すっかりなくなっていたのだそうです。
 野口さんはこうした経験から「風邪は万病のもとというより、万病を予防する自然治癒行為ではないか」という説に辿り着くんですね。

風邪を上手に経過させるコツ

 さらに、野口さんは「偏り疲労が蓄積されている所に、症状があらわれることが多い」とも述べています。
 呼吸器系統に疲労が溜まると、鼻水や喉の痛み、咳となってあらわれ、目や頭部に疲労が溜まると、頭痛となってあらわれる。だから、風邪がどこにあらわれたかを注意深く観察すると、からだのどこに「偏り疲労」が溜まっているかがわかるし、症状がいつも似ている人は、そこに「偏り疲労」が溜まりやすいということになるわけです。
 本来、からだの感性が健全に保たれていれば、「偏り疲労」には、からだが自然に対応しますが、過度のストレスや食習慣の乱れなどが重なると、こうした感性が鈍ってしまうのでしょうね。
 ちなみに、子供が寝返りを打つのも「偏り疲労」を自ら整えているのだそう。からだがやわらかいと、「偏り疲労」にも敏感に対応できるというわけです。
 そういえば、子どもの頃、あまりの寝相の悪さに、同居していた曽祖母からベッドに縛り付けられた記憶がありますが、あれは、やっちゃいけないことだったんですね(笑) 
 野口さん曰く、「風邪は、からだを健康にしてくれる自然治癒行為。だから、上手に経過させることが何よりたいせつです」とのこと。野口さんが提唱する「風邪を上手に経過させるコツ」を、3つにまとめてみました。
 
① からだを冷やさないで、温める

② 平熱より下がったタイミングで無理をしない

③ からだをゆるめる
  
 ①は、そのまんまなので、説明は省略 。②は、高熱の状態から、治りかけになると、熱がいったん平熱以下に下がるタイミングがありますが、昔から「治りかけがたいせつ」というように、急にラクになったように感じてしまうこの時に無理をすると、こじらせてしまうことが多いようです。
 ③は、ゆるんでいるほど、風邪がからだをスムーズに経過してくれるから。こころとからだはつながっているので、忙しくて余裕のない時にこそ、のんびりと、ゆるやかな時間を意識することがたいせつなのかもしれませんね。
 
 

参考
『風邪の効用』(ちくま文庫)野口晴哉・著
アメブロ 鳴海周平の「こころとからだの健幸タイム」

 

 

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