【vol.63】ときめきの富士|いのち輝くとき 5月 八ヶ岳山麓より
冬の寒さが
厳しければ厳しいほど
それを乗り越えた
新しい命の勢いは強い
若葉萌える頃に
ここに立った
富士山が呼んで見せてくれた
富士山が教えてくれた幸運の法則 その23
御座船に乗って
GWは遠くに行かず、地元東京を楽しむ事にした。身近に江戸情緒を感じられるのは幾つもあるが中でもいいのが隅田川クルーズだ。
御座船とは徳川家光の命によって造られ、その巨額な維持費用により僅50年で解体された伝説の船。確かな文書が存在せず、詳細は不明の船だが、その大きさは富士山に、豪華さは日光東照宮に例えられた江戸名物の一つとされている。
その伝説の巨船、御座船安宅丸が東京湾クルーズで楽しめる。これは一度乗っておかねばなるまい。5月5日、連休も終わりという土曜日に電話してみたら何と空いていた。今日は団体客がないと言う。
黄昏迫る頃に東京湾の日の出桟橋から乗船した。ここは隅田川の河口に当る。料金は6300円。1時間ちょっとのクルーズ、旬の特選料理、役者の舞台とおもてなしがついている。遠くへ遊びに行かないから時間も無駄にしないしとっても割安で遊べる気分だ。
乗船する前はワクワク、乗ったら役者が愛想良く出迎えてくれて、まるで歌舞伎小屋の雰囲気。もう気分は平成元禄夢世界だ。尤も元禄は綱吉の時代で家光は元禄の遥か前だが、それはさておき、やがてショーが始まった。
外国の観光客もいる。子供連れの家族もいる。3人の役者は芸の修練とサービス精神が素晴らしい。劇団四季の出身者もいて、音楽に合わせて踊る様はキレッキレ、天井まで届くジャンプと足捌きで動き回り男役者は眼を剥いて見得を切る。決まった。
観客は観るだけではない。正しい三々七拍子を教えられ、掛け声伝授されて舞台の役者と一体になる。これが素晴らしい。外国の人も日本人も皆大ノリだった。
とことん喜んで貰う事、払ったお金以上の満足に浸れる事、いやお金の事なんて気にしなくていい。予想した範疇を軽く超えてしまう面白さと楽しさの提供を受けて、これぞプロの心意気と感嘆せずにはおれなかった。笑っていたら、あっと言う間に時間が過ぎた。今度東京に遊びに来る人がいたら、ここにお連れしようと思う。
歌川広重と葛飾北斎の浮世絵には江戸から見える富士山が多く描かれている。人々の心にあるもの、大好きなもの、楽しい事、喜んで貰う嬉しさ…。それが夢の基本だ。仕事の真髄ってきっとそうなんだと共感する事が多かった。
さあさあ、皆様方々、お楽しみ頂きまする。今宵は御座船安宅丸。
命の洗濯、腹から笑って楽しんでいざやいざいざベイクルーズを!
船からみる東京の夜景は、喧騒もなく風情があった。
ときめきの富士 写真家 ロッキー田中
現代に蘇った北斎と言われる〔ときめきの富士〕の写真家。生涯に99作、現在までに97作を発表した。幸運を呼ぶ富士山とされて、多くの人々と共に輝いている。全国に260店を展開するホテルの全ロビーに大きな作品が飾られている。検索はロッキー田中またはときめきの富士で。