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Vol.173 9月 お腹をやさしく丁寧にマッサージすると、快便になり免疫力が上がる


たったの1分で、誰もが健康になれる!
しかも、とても簡単で、よく効く「1分間でできる健康法」を紹介します。

今月の1分間健康法

お腹をやさしく丁寧にマッサージすると、快便になり免疫力が上がる

〈主な効果〉
  免疫力が向上する 肌がきれいになる アレルギー症状の改善
 
〈特にこんな人へオススメ〉
 食欲がわかない 何となく元氣が出ない・やる氣が出ない
 風邪を引きやすい アトピー性皮膚炎 肌荒れ
 便秘・下痢  健康的にダイエットしたい 若返りたい

なぜ、お腹はたいせつなのか?

 「お腹だけは、ちゃんと布団をかけなさいよ」
 子供のころに、よく言われませんでしたか?
 暑くて寝苦しい夜でも、お腹だけは冷やさない。
 先人たちは「お腹のたいせつさ」を知っていたのです。

 植物は根っこがダメになってしまうと何をしても回復が難しくなりますが、これは茎や葉っぱ、花や果実の土台となり、栄養を吸収しているのが「根っこ」だからです。
 このたいせつな「根っこ」が、人間のからだでは「お腹」にあたります。
 落ち着いている状態を「肚が据わっている」と言ったり、根性があることを「ガッツ(腸や消化器)がある」と言ったりするのも、こう考えると納得がいきますね。
 また「腸」という字の左側にある月(にくづき)を土に替えると「場」という字になるのも、腸が地球でいうところの、土や場(=土台)にあたることを表しているのではないかと思います。

お腹のマッサージ

 お腹をマッサージすることのたいせつさに初めて氣づいたのは10年ほど前。ラジオで健康番組のパーソナリティをしていた時でした。
 相方をしてくれている局アナの女性が「話す仕事の人にとって、腹式呼吸はとても大事なんですよ。お腹から声が出るようになるし、健康にもいい効果があるんです」と教えてくれたのです。

「息を吐くときにお腹を引っ込めて、吸うときにお腹を膨らませる。たったそれだけなんだけど、とても氣持ちが落ち着くんです。呼吸をするたびに、なんだかお腹もマッサージされているようで…。風邪を引きづらくなったし、便秘が治って、肌もきれいになったんですよ」

 腹式呼吸に自律神経を調える効果があるのは聴いたことがありましたから、氣持ちが落ち着くことはすぐに理解できましたが、風邪や便秘、美肌にまで効果があるとは…。
 その後さまざまな文献などで、自律神経と腸が密接に関係していること、腸が免疫機能の大半を担っていることを知り、おおいに納得しました。
 お腹を動かす腹式呼吸は、お腹のマッサージにもなっていたのです。

美肌と免疫力アップにも効果アリ

 からだの隅々まで運ばれる栄養素も、もともとは腸でつくられていますから、お腹の状態がよくなると、からだ全体に行きわたる血液の質も改善されます。
 先ほどのアナウンサーのように「お腹をマッサージしてから、なんだか肌がきれいになったみたい!」という声が多いのはこうした理由からでしょう。
 また、免疫の大半を担っている場所も、腸を中心とした「お腹」です。
 免疫の要であるリンパ球が信号を受け取る細胞(マクロファージ)は、90%がお腹に集まっています。
 マクロファージは、冷えている状態だとはたらきが衰えてしまうので、冷やさないことや、丁寧なマッサージなどでお腹を動かして温めることは、自律神経を調えて、からだ全体の免疫力を高めるためにとてもたいせつなのです。

実践!! 1分間足ぶみ健康法

 腹式呼吸より、さらにマッサージ機能に重きを置いた1分間健康法をご紹介します。
「からだの土台・根っこ」であるお腹に直接はたらきかける効果を体感できますよ。

 ①リラックスして、呼吸を調えます。

 ②へそを中心に指4本分くらいの間隔を空け、周囲を「の」の字を書くようにマッサージします。
  「の」の字のスタートは、お腹の右下あたりから。
  全体を8箇所のポイントに分けるとわかりやすいでしょう。
  ゆっくり息を吐きながら「氣持ちいい」と感じる程度にやさしく丁寧に圧をかけます。
  (親指以外の4本、または小指も除いた3本でおこなうと押しやすいですよ)

 ③息を吸う時にゆっくり戻します。
  目安は1箇所につき3〜5秒程度。へそを1周して、40秒ほどです。

 ④後半の20秒はおなか全体をさすります。
  時計回りに大きく10回まわし、上から下へ10回なで下ろします。

 ※胃腸が活発に動いている食後は消化の妨げになる可能性もあります。食事のあとはなるべく1時間以上空けてから、おこなうようにしましょう。

 食べものは、小腸で栄養を吸収された後、上行結腸(右下)→ 横行結腸(上部)→ 下行結腸(左上)→ S字結腸(左下)→ 直腸と移動します。
 つまり「の」の字を書く順序は、食べものが消化されるこの順番が理に適っているのです。正面から誰かが自分を見た時に「の」と見えるように書く、ということですね。
 

参考文献
「医者いらずになる 1分間健康法」帯津良一・鳴海周平著(ワニ・プラス)
 

 

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