Vol.158 6月 人間は考える管である
初夏の氣持ちよい日が続きますね。
今回はデトックスのお話です。
人間考える管である
腸は、からだの中で「最古の臓器」と呼ばれています。
進化の順番からみて、いちばん最初に腸だけのような生物が登場し、その後に脳や他の内臓を備えるものが現れてきたからでしょう。
そのせいか、腸にはたいへんな数の神経細胞が存在していて、脳に頼ることなく消化・吸収などをコントロールしています。
免疫の70~80%を担っているのも腸ですから、いかにたいせつな役割を担っているのかがわかりますね。
「ガッツがある」のガッツは、腸や消化器という意味の「gut」という英語が語源です。
また、「直感」や「第六感」を「gut feeling」と言ったり、「根本的な問題」を「gut issue」と言ったりするのも、腸が「こころ」という、人を形成する土壌と深く関係していることを表しているのだと思います。
漢字でも、「腸」の左側にある月(にくづき)を土に替えると「場」という漢字になりますが、これは、腸が地球でいうところの「土」「場」にあたることを、先人たちが感じ取っていた証ではないでしょうか。
植物の生育が土で決まるように、私たちの心身の健康も腸が大きな鍵を握っているのです。
便秘の原因は何か?
「食べたものを出す」という、じつにあたりまえのはたらきが、なかなかスムーズにいっていない、俗に言う「便秘」といわれる症状の人が増加傾向にあるといいます。
とくに、20~30代女性の約半数が便秘を抱えている、というデータもあるようですから、これはなかなか深刻ですね。
慢性の便秘には、腸のぜん動運動が弱っていたり、精神的なストレスが関係していたり、といったさまざまな原因が考えられますが、便秘の人にほぼ共通して言えるのは「便意を我慢していた時期があった」ということ。
学校では個室に入るのが何となく恥ずかしくて、社会に出てからは職場の雰囲気や接客のタイミングなどでいつも我慢をしてしまう、といったことが重なり、そのまま便秘につながってしまう、というパターンが多いようです。
日常的な我慢の積み重ねが「便意」という「からだの声」を遠ざけてしまった、ということでしょう。
からだの声を遠ざけていたことが、便秘の大きな原因なのであれば、便意を感じたらすぐに排泄すること、つまり、我慢せずにからだの声に素直に従うことが便秘を改善するコツということになります。
自然界には「我慢」という言葉が存在しませんから、自然の一部である私たちも我慢をしないことがたいせつなんですね。
自然界が常に循環しているように、私たちのからだにも「出してから食べる」という循環の法則があります。
「どんなものを食べるか」ということも、もちろんたいせつですが「氣持ちよく出すためには、なにを、どんなふうに食べたらよいか」と考えてみること、そして「からだの声に耳を傾けてみる」ということも、自然界の摂理に氣づくきっかけとなります。
「自分」とは「自然の分身」であることを、いつもたいせつにしたいですね。
参考文献
「あなたに贈る食の玉手箱」星澤幸子・鳴海周平著(ワニ・プラス)
大好評5刷!!「医者いらずになる1分間健康法」(830円+税)
帯津良一・鳴海周平著
10年以上「医者いらず」状態を継続中の健康エッセイスト鳴海周平氏が、1分間で誰もが簡単に実行できる選りすぐりの健康習慣を紹介。その驚きの効果を、ホリスティック医学の第一人者である帯津良一医学博士がわかりやすく解説します。全項目イラストわかりやすいイラストつき!!たった1分間で、一生モノの健康が手に入ります。
【本書で紹介している17の健康習慣】
1.顔をこする→内臓が元氣になる
2.耳をひっぱる→心身が元氣になる
3.指でヨガをする→痛みや不快が和らぐ
4.口元をゆるめる→疲れやダルさが取れる
5.胸に手をあてる→生命力がよみがえる
6.足全体をもむ→不快な症状が和らぐ
7.足ぶみをする→血糖値が下がる
8.お腹をもむ→快便になり免疫力が上がる
9.呼吸を意識する→自律神経のバランスが調う
10.ワカメ体操→全身のバランスが調う
11.首を温める→免疫力がアップする
12.日記をつける→自律神経のバランスが調う
13.他者と触れ合う→幸せホルモンが分泌される
14.朝日を浴びる→快眠になる
15.五感を意識する→脳とからだが若返る
16.空を見上げる→「心身自動修復機能」が働きだす
17.笑う→健康長寿が実現できる