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Vol.094 02月 食べ過ぎないコツ


今回も健康の基本である「快食・快眠・快便」についてお話します。

【 快食 】
 食べ物は私たちの身体を構成している大切な要素のひとつ。どんな食べ物を、どのように、いつ食べるかによって、健康状態は大きく左右されます。

 前回に引き続き、快食のコツをいくつか紹介しましょう。

唯一「長寿効果」が確認されている健康法とは?

 様々な健康法が紹介されている中で、唯一効果が確認されていると言われているのが「食べ過ぎない」ことです。よく言われる「腹八分目」ですね。

 ネズミを使って「食べる量と寿命の関係」を調べたデータがあります。片方のグループは好きなだけ餌を食べさせ、もう片方には60%の量に制限した食事を与えて比較したところ、制限された方(つまり少食のグループ)の寿命が15%~30%も延びたそうです。人間の平均寿命(約80歳)に置き換えると12~24年も長生き出来てしまうんですね。これって凄いことだと思いませんか?

 江戸時代に「養生訓」という健康本を著した貝原益軒さんも「養生のためには中を守るのが原則である。中を守るとは、万事に過不足のないことをいうので、食べ物も空腹をしのぐ程度がよい」と述べて、食べ過ぎを戒めています。

 「食べ過ぎない」という健康法は、先人達から伝わる長寿のコツだったというわけですね。

食べ過ぎないコツ

 「腹八分目ねぇ。わかっちゃいるんだけどさ・・・」という方もいらっしゃるでしょう。では、なぜ食べ過ぎてしまうのでしょうか?

 食欲の調節は脳にある「満腹中枢」というところでおこなわれています。ここは食べ物が胃に入って消化、吸収され、血液中の糖や脂肪酸の濃度が高まることによって「もう食べなくていいですよ」というサインを受け取る場所です。ところがこの「満腹中枢」がサインを受け取り、食欲を止めるまでの間に少しのタイムラグが発生してしまいます。この「少しの間」に皆食べ過ぎてしまうんですね。益軒さんは「腹七分か八分に控えて、少しの間、心の力で食欲を我慢せよ」と教えています。

 「私の心の力はそんなに強くありません」とあきらめかけたあなたに良い方法をお知らせしましょう。それは「最初から八分目の量しか用意しない」ということです。

 「・・・やっぱり私にはできません」というあなた。(笑)わかりました。ではとっておきの秘策をお知らせしますね。

 大分医科大学の坂田利家博士によると「よく噛むことでも満腹中枢が刺激される」ということがわかってきたそうです。坂田博士がおこなった実験では、そうめんを噛まないで好きなだけ食べさせた場合と、栄養的には食欲に影響を与えないノンカロリーガムを10分間噛ませた後でそうめんを食べさせた場合とでは、食べる量が3分の1程に減った、という結果が出ました。(食前にガムを噛むことを勧めているわけではありませんので、誤解のないように)

 つまり「食べ物をよく噛むこと」が、自然に食欲を抑えるコツということになります。一口の量を少なめにして、なるべく30回以上(無理なら20回からでも)噛むようにするだけで、満腹感を感じるまでの必要量がまったく変わってきますよ。ぜひお試しください。

食事は楽しく、心穏やかに

 とはいえ「よく噛むこと」にこだわり過ぎて、ストレスになってしまっては逆効果。益軒さんも「怒りや悲しみと共に食事をするな」と仰っています。

 「噛むことを楽しくするコツ」として私が実践しているのは、すべての料理を「高級割烹でいただいている」と想いながら食べること。高級会席料理をあまり噛まずに飲み込むなんてもったいないじゃないですか。(笑)ひと口、ひと噛みをじっくりと味わう気持ちでいただくと、噛むことがだんだんと楽しくなってきます。

 また食べ物の背景(生産地や生産者、育ってきた過程など)に想いを寄せてみるのもお勧めです。愛着が湧いてきて、何だか飲み込むのが名残惜しくなるかもしれません。(笑)

 気持ちの持ち方をちょっと意識するだけでも、簡単に噛む回数を増やすことが出来るのではないでしょうか。

 「怒ると唾液から毒が出る」とも言われるように、食事時の心の持ち方は消化・吸収にも大きな影響を及ぼします。(怒っている時にお腹が空かないのは、唾液から出る毒を身体に入れないようにする防御本能なのでしょうね)

 「よく噛んで、心楽しく、腹八分目」(ちょっと字余りでした)を、ぜひ心がけてみてくださいね。

参考文献 「上手に生きる養生訓」(日本実業出版社) 平野繁生・著
     「老化を防ぐ科学」(講談社) 藤本大三郎・著

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