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Vol.054 10月 世界の風邪対処法あれこれ


今回も引き続き「風邪をひくことによって、身体は本来のバランスを取り戻す」という野口春哉先生のお話を基に「風邪の効用」についてご紹介をしたいと思います。

風邪にいろいろな症状がある理由

 整体協会の創始者である野口春哉先生は、日々の整体という治療行為を通じてたくさんの患者さんの身体に触れてきた経験から「風邪は身体の偏りを整えようとする自然治癒行為のひとつである」という考えをもつようになりました。

「身体のどこかが疲れている」つまり「バランスが偏っている」という状態を、身体が自ら元に戻そうとする働きの現われを総称して、私たちは「風邪」と呼んでいるんですね。ということは、身体のどの部分が疲れているかによって、当然現れてくる症状は違うわけです。

 東洋医学では「経絡」といって「気(生命エネルギー)の流れ」を導く体内の通り道について詳しく解説していますが、どこかの疲れが、関係する経絡に沿った箇所に出てくる、と考えるとわかり易いかもしれません。

 身体のどこかの疲労が風邪の症状となって現れているのであれば、表面的な症状を薬で止めることよりも、根本の疲れ、偏りをとってあげることが大事ということになりますね。症状の根本を考える、というこうした考え方を野口先生は「風邪の経過を辿ってみる」と表現されています。

空想は身体に現れる?

 皆さんは梅干を想像するとどんな感じがしますか?すぐに酸っぱいイメージが浮かんできて、口の中に唾液が溢れてくる、という方が多いのではないでしょうか。これは「梅干」を食べた時の印象がそのまま記憶されているからです。でもよく考えると、過去に感じた「酸っぱい」というイメージだけで、唾液が溢れてくる「身体的な変化」が起きる、というのは面白いと思いませんか?

 私たちはふだん、意識するしないに関わらず、イメージによってこうした「身体的な変化」を起こしています。

 野口先生はこうしたことが、風邪という症状にも当てはまっていることに気付き「空想は身体に現れる」と表現しました。
「寒いと風邪をひく」と思っていると「寒さで風邪をひく」。「栄養が足りないと風邪をひく」と思っていると「偏食が続いた時に風邪をひく」。「寝相が悪いと風邪をひく」と思っていると「朝布団がかかっていないと風邪をひく」・・・といった具合です。

 本来は身体の偏り疲労を癒すための働きである「風邪」が、こうしたイメージによっても発症することがある、ということがおわかり頂けると思います。このことは逆のイメージをもつことによって「空想から現象化する風邪」は予防出来る、ということでもありますから、イメージの持ち方というのは本当に大事ですよね。例えば、くしゃみをした時に「風邪だな。」と思うのと「くしゃみと一緒に風邪が出て行った。」と思うのとではその後の経過がまったく違ってくると思います。

 これは風邪に限らず、全てのことについて言える大切な法則ではないでしょうか。

世界の風邪対処法

 生まれ育った地域によっても異なりますが、風邪をひいた時には様々な伝統的対処方法があります。一般的に生姜や蜂蜜、ねぎ、などは良く使われますね。また玉子酒なども身体を温め、栄養価を補給してくれる滋養食です。

 ちなみにフランスでは、赤ワインを温めて適量の砂糖を加えたホットワインを飲むそうです。さすがにワイン大国ですね。また、ポルトガルでは温めたミルクにレモン汁とシナモン、さらに少量のブランデーを加えたホットドリンクが風邪の時に良く飲まれるそうです。他にも、お隣の韓国では生姜と大根をおろしたものにお湯と蜂蜜を加えて飲むそうですし、タンザニアでは紅茶に砂糖と生姜、蜂蜜などを加えて飲むことで、風邪に対処しています。

 どこの国でも基本は「身体を温める」ことと「リラックスする」ことに重点がおかれているんですね。

 野口先生も「風邪の時は、なるべく頭を空っぽにして休んでいるのが一番良い」と仰っています。

身体に優しい旬の食材で身体を温めて、心身共にリラックスすること。
これが、自然治癒行為「風邪」の上手な対処方法ではないかと思います。

参考文献  野口 春哉 著 「風邪の効用」(ちくま文庫)

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