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Vol.048 04月 健康情報、どれがホント?


 火事になってから火を消すのには大変な労力が要りますが、ボヤのうちに消す事が出来たら、その労力は比較にならないほど少なく済みます。でも、もっと良いのは火事が起こらないように日頃から気をつけることですね。

これは、私たちの身体にも同じことが言えると思うのですが、体調を崩して病院のお世話になる前に、病気になりづらい身体作りが出来たらいいですよね。

 今回から「病気にかかりづらい身体作り」のお話です。

いったい、どれが本当なの?

 テレビ番組などで人気キャスターが「ココアはいいですよー」と言うと、お店からココアがあっという間に消えてしまう。「バナナがいいんですよー」と言うと、これまたあっという間に売り切れ・・・。

そんな「にわか健康ブーム」が目立つようになって、もう何年も経ちますが、毎日見ていると結局は、ほとんどの食品が身体に良くもあり、悪くもあり、といった結果になってしまいます。

お店では、その日の番組内容やキャスターのコメントをどれだけ早く、正確につかめるかが勝負どころだそうです。

 良く考えてみると、何だか変な状況ですよね。
自分の健康は、あまり外部からの情報に振り回されずにじっくりと考えてみたいものです。

木を見て森を見ず

 結局、こうした情報に振り回されてしまうというのは「木を見て森を見ていない」状態だと思います。

 本来、人間は「食べたい時に、食べたい物を、食べたいだけ食べる」ことで健康を維持出来るのではないでしょうか。だって、誰のものでもない、自分の身体なんですから、自分が必要としている栄養素も、量も、タイミングも、身体の欲求に素直になるとわかるはずなんですね。

その時の気候や気温、身体の動かし具合、心の状態などは、個人個人異なります。ひとつの栄養素をとりあげて「その栄養素がたくさん入っているのは、この食品です!」と煽ってしまうのは、本来身体が欲求している声を素直に聴くことの妨げになっているような気がしてなりません。

例えば「緑茶のカテキンがガンの予防につながる」というと、朝から晩まで緑茶を飲んでいる人がいます。ところが、緑茶を飲みすぎている人の胃相(胃にも人相のような相があるそうです)は、あまり良くないらしいんですね。このことについて、米国アルバートアインシュタイン医科大学の新谷弘実先生は「カテキンがいくつか結合すると、渋みのもととなるタンニンになり、酸化することでタンニン酸になったものが胃粘膜に影響を与えるのではないか。また、栽培過程で使用されている農薬などの影響も大きいと思う。」と仰っています。

「カテキン」という木だけを見て、「緑茶全体」という森を見ていない結果ではないでしょうか。

何事もほどほどに・・・

 仏教には「中道」という言葉があります。何事も偏らず「ほどほどに」という意味だと私は理解していますが、物事のある一面、つまり「木」だけを見ていると、なかなか「ほどほど」にはならないんですね。

 緑茶はもともと、食後やおやつの時間など、限られた回数の中で飲まれてきたものです。他にもほうじ茶や玄米茶など、様々な種類のお茶がありますから、緑茶だけを大量に飲むということは、まずなかったはずなんですね。

 昨今のマスコミ主導による健康ブームは、こうした偏った食の習慣を何の疑いもなく実行させてしまうという一面も併せもっていると思います。

 「病気にかかりづらい身体作り」は、先ず「森を見る」習慣をつけることではないでしょうか。

 「腹八分目」「過ぎたるは及ばざるが如し」昔から云われる言葉の中に「ほどほどの精神」と「森を見る」ことの大切さを感じますね。

参考文献  新谷弘実 著 「病気にならない生き方」(サンマーク出版)

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