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Vol.041 09月 「時間生物学」を健康に活かそう!


 「規則正しい生活」は、健康のためのたいせつな要件のひとつです。
 今回も、この「規則正しい生活」に深い関係が有る「体内時計」についてお話したいと思います。

朝のあなたは何センチ?

 あなたの身長、実は1日の中で高くなったり、低くなったりしてるって知ってました?

 私たちの身体は、時間によって血流の速さや内臓の状態、神経系、ホルモンの分泌などが変化します。この変化の状態を把握すると、何時にどんなことをすると効率が高まるのかを知ることが出来ます。また、何時にどんなアプローチをしたら健康に役立つのか、といったことも研究されています。これを「時間生物学」といいます。

 ちなみに身長が最も高くなるのは、朝6時代といわれています。

午前中の身体の傾向

朝起きてすぐ、というのは私たちの身体はどんな状態にあるでしょうか?

 先ほどお話したように、身長がもっとも高くなるのは6時代です。また、インスリンの分泌が最も多かったり、腸の働きが活発なのも朝の傾向です。

 ところで、皆さんは会社や学校に行くときに、「何となく調子が良くない」と思いながらも出社、登校して、そのうちにだんだんと楽になって帰る頃にはすっかり元気になっていた、なんて経験はないでしょうか?実は午前中の早い時間帯というのは、風邪やインフルエンザ、花粉症の症状が最悪となる時間帯なんですね。「まーた、会社(学校)行きたくないからそんなこと言って!」なんていう前に、身体のこんな傾向も理解してくださいね。

 ちなみに知力の敏捷性と覚醒が高まるのも午前中(午前10時頃)です。

午後からの身体の傾向

 午後からは少しずつ、身体と脳の情報のやりとりがスムーズになってきます。反射神経が良くなったり、筋肉の強さと柔軟性が最高潮に達したり、といった状態になります。肺と心臓の効率もとても良くなるので、肺の調子が良くない人は、夕方頃はとても楽なはずです。

 全身の筋肉が活性化されているので、夕方にスポーツの練習をすることは、上達の早道かもしれませんね。

 夕食を食べる時間帯(午後6時頃)になると、味覚がもっともするどくなります。そして、食後は体温が最も高い状態です。

寝ている間に身体は・・・

 夜8時頃、身体はアルコールに対する抵抗力が最も高い時間帯になります。9時頃になると、メラトニンという睡眠を誘うホルモンの分泌が始まり、子供は成長痛がピークになります。

 午後11時頃にはぜんそくの引き金となる刺激に対する感受性がピークとなり、敏感肌やかゆみも感じやすくなるようです。

 深夜1時をまわると、もっとも深く眠る時間帯です。この間に皮膚や内臓は修復されるといわれていますので、この時間帯はゆっくりと眠っていられる環境づくりを心がけたいものです。

また深夜から早朝にかけては、陣痛や自然分娩が最も多い時間帯でもあります。太陽や月のリズムも大きく影響している証拠ですね。

「時間生物学」を健康に活かそう!

 オーストラリアで18歳の男性5万人を調査したデータによると、春に生まれた子供は、秋に生まれた子供より6ミリほど背が高くなる、とうことが確認されたそうです。これは、春生まれは日照時間の最も長い夏に妊娠しているため、母体が太陽光や豊富な野菜、果物を摂取している影響ではないか、と言われています。

 このことからもわかるように、1日の時間帯ばかりでなく、1年を通じた季節の変動も「時間生物学」として捉えることが出来ますね。

 時間帯や季節による身体の傾向がわかってくると、健康にも大いに活用することが出来ます。

 「人間は自然の一部である」という東洋医学の考え方にも通じるものがありますね。

参考文献 「最高にうまくいくのは何時と何時?」 
マイケル・スモンレスキー/リン・ランバーグ 共著 (幻冬社)

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