Vol.004 08月 「肝臓」のおはなし
沈黙の臓器
重さ約1.2kg、長径約25cm。体の中で最も重く、最も大きい臓器、肝臓。しかし、胃腸や心臓のように動かず、音もでないことからこう呼ばれています。
肝臓は主に胃や腸で消化・吸収された栄養分を、体内で活用できるエネルギーに変える化学工場のような役割を担っています。余分なエネルギー源は、グリコーゲンとして蓄えられ、必要に応じて使うことが出来るように調整しています。私たちがエネルギッシュに活動できるのも、肝臓が必要に応じて活躍してくれているからなんですね。昔から、肝心かなめ、といわれているほど大事な臓器です。
驚きの再生力
手術などで肝臓を半分ぐらい切ってしまったらどうなると思います?
他の臓器ではあまり見られないことなのですが、肝臓の場合、約1ヶ月という、短い期間で元の大きさに戻ってしまうんです。トカゲの尻尾が切れても切れても生えてくるのを、驚異と感動でみていましたが、同じ再生能力が私たちのかなめの臓器、肝臓にも備わっていたんですね。
また、肝臓はとても我慢強い臓器でもあります。そのため何か異常があっても、自覚症状がない場合が多く、だるさや疲れ、体のかゆみなどが肝臓の異常を知らせるサインといわれています。
健康な肝臓になろう
肝機能を計る目安としてよく使われるのが、ガンマーGTPといわれる数値です。これは肝臓に障害が起こると、肝細胞から血液中に流れ出す酵素を計るもので、一般に40mU/・以下が正常値といわれています。
障害を起こす原因としてはウイルス性のものと、アルコールの飲みすぎなど不摂生な生活によるものとに大別できます。
では、肝臓の機能を高めるためにはどうしたら良いでしょうか?
漢方では「類は類をもって補う」ということがいわれています。つまり、肝臓は肝臓(レバー)をもって補うということなんですね。焼肉や炒め物として身近な食材レバーは、1頭の牛からなんと10kgもとれるため価格もとてもリーズナブル。肝臓をいたわって、暑い夏をのりきりましょう。