head_id

Vol.244 8月 人生とは、 楽しいもの


人生とは、 楽しいもの

 このコーナーでも何度か紹介したことがある『養生訓』。江戸時代の儒学者・貝原益軒さんが書いたこの本は、なんと300年も読み継がれている超ロングセラーです。
 健幸・長寿を自ら体現した益軒さんの「健幸のコツ」を、あらためて学んでみたいと思います。

人生の「三楽」

「楽しみは是人のむ(生)まれ付たる天地の生理なり。楽しまずして天地の道理にそむくべからず」(巻第二の38)

 益軒さんは「人生とは楽しいものであり、それは天地の道理として決まっていること」と考えていたようです。
 じつは、僕のヒーリングの師匠も「人生とは楽しいもので、それは宇宙の法則なんです」と、常々教えてくれていました。
 宇宙には「人生は楽しい」という厳然とした摂理が存在しているのかもしれませんね。

 では、「人生を楽しむ」とは、具体的にどんなことなのか。益軒さんは『養生訓』で「人生の三楽」として、次のように述べています。

「一には身に道を行ひ、ひが事なくして善を楽しむにあり。二には身に病なくして、快く楽むにあり。三には命ながくして、久しくたのしむにあり」(巻第一の22)

 善いおこないをして、健康で、長生きすること。こうして人生を楽しむことによって、人はさらに、こころのうちにある「楽しみ」にも氣づきやすくなっていくようです。

こころのうちにある「楽しみ」を知る

「ひとり家に居て、閑かに日を送り、古書をよみ、古人の詩歌を吟じ、(中略)月花をめで、草木を愛し、四時の好景を玩び、酒を微酔にのみ、園菜を煮るも、皆是心を楽ましめ、気を養ふ助なり」(巻第二の21)
(ひとり静かに毎日を過ごす。それは、本を読んだり、詩歌を吟じたり、月や花、草木、移り変わる四季の美しさを楽しみ、酒はほろ酔いで飲み、庭でできた野菜を調理するといったことのすべてが、楽しみとなり、氣を養う助けとなる)

 益軒さんが『養生訓』とは別に、人生の楽しみについて述べた『楽訓』には次のように書かれています。

「欲になやまされずに、天地万物の光景の美しさに感動すれば、その楽しみは無限である。この楽しみは朝夕に目の前に満ちている。これを楽しむ人は、山水月花の主人であるから、人に求める必要がない。金で買う必要もない。(中略)およそ世俗の楽しみは心を迷わし、身をそこない、人を苦しませる。君子の楽しみには迷いがなく、心を養う」

 楽しみを「外」に求めるよりも「こころのうち」に在ると氣づくこと。僕たちは人生を楽しませてくれるたくさんの彩りに囲まれているのかもしれませんね。

  
 
参考文献
『養生訓』 貝原益軒
『貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意』帯津良一 著(朝日新聞出版)より
 
 

 

 セミナー・イベントのスケジュールはコチラから
 

right_toppage

right_01健康対談ラジオ番組月刊連載

right_02 right_news right_02-2 right_03 right_04 right_06 right_05 right_07 right_07

bnr_npure

bnr_kenkotime

ブログ・メールマガジン